次世代の材料である
ジルコニアについて紹介しよう。歯の修復物には大きく分けると金属、レジン樹脂、セラミックがある。
ジルコニアはその中のセラミックの種類のひとつである。セラミックは皆さんの自宅でも多くのものに使用されている。代表的なものはお皿などの焼き物である。歯のセラミックも同様に釜の中で焼いて製作していくことになる。今までのセラミックは粉状のセラミックを水で溶いて少しずつ金属フレームの上に盛り上げてから何回かに分けて焼いていき、それを歯の形に整えていく。粉状のものを焼いて固めるために強い衝撃に対して割れてしまう傾向にある。
これに対して
ジルコニアはひとつの塊になったものを削り出して作られる。
非常に硬く金属よりも硬い、そのために人間の手で削ることは非常に難しく、
技工用のタービン+注水下の環境が必要である。これは口の中で歯を削るシステムと全く同じである。ここ最近この硬い
ジルコニアを削り出すシステムが開発されて実用化されるようになった。CAD/CAMと呼ばれるコンピューターで削る形態を読み取り、狙ったとおりの形に削り出す装置が実用レベルに達してきた。日本ではまだ認可が下りていないが当クリニックでは海外経由で製作可能である。
まだ、海外経由ということなので製作に時間がかかるのが欠点ではあるがすべてをセラミックで製作できるので歯の自然感や光の透過が自然な感じに仕上がること、
金属アレルギーに対しても有効であり、生体親和性がチタンと同じく高い素材である。
私はこの素材を日本で普及させる努力をこれからの10年間していこうと決めた。