開業して１２年目そして歯科大学に入学してからは２２年目となり、自分にとって治療できないような
症例というのは少なくなっている。
インプラントに関しては９８％ぐらいの
症例はこなせるとおもう。しかし、いまだに解らないような
症例もたまに出てくる。一番は
根の治療である。歯科医師にとって基本中基本であるこの治療で治らないケースに出くわしたときが一番困る。歯の
根の中には歯髄と呼ばれる歯の神経があるが
虫歯が大きくなるとこれを完全に除去しなければいけない。除去できなければ痛みが続くことになる。除去した部分には
根充剤と呼ばれる詰め物で完全に密封することになる。神経を抜いてすぐに
根充した場合の治療の成功率は非常に高い。しかし、２度目３度目の再治療になるとなかなか治らないのである。私の患者さんのほとんどは他の病院からの転医でやり直しになることが非常に多くなかなか治らないのである。このような場合にその歯をそのまま生かしていくべきか？それとも積極的に
抜歯してしまうのか？意見が分かれるところである。教科書的にいうと予後不良の歯は
抜歯することになる。しかし、患者としてはまだ痛みも無く使えるのであればそのまま残したい気持ちがあるだろう。ここの選択が難しい。
歯周病においても同じである。歯の周りから膿や出血があり動揺もあり歯周ポケット値が６�个△訃豺腓砲�りぎりまでその歯を残していくのか？積極的に歯を抜いて
インプラント治療にしていくのか？非常に迷うことがある。
特に口の中に何本もこのような歯が存在している場合にその方の精神的苦痛も考慮しなければいけないし、どの時期で
抜歯を選択すればいいのか迷う。歯科の理想の治療としては全部
抜歯をして
インプラントにすれば簡単でその後に
トラブルが発生することは少ない。しかし、その患者の経済力、治療可能期間、仕事、家庭環境、全身の状態により
抜歯せずに次第に抜けるのを待ちながら徐々に
インプラントに交換していくことも選択肢のひとつであると考えている。私はどちらかというと後者を選択することが多い。患者さんの実際の状態を説明してこれから先どのようになっていくのかお話をして患者さんの気持ちを聞くようにしている。どちらを選ぶかは最終的には患者さんに決めていただく。
-- この記事への外部リンク:
