10月はとにかくオペが毎日のように入っている。木曜日にもオペを入れているから当然である。今日は右下3,5番目の2本に
インプラントを
フラップレス法で15分ぐらいで終了。術式はいたって簡単で歯茎に小さな穴を開けてそこから
インプラントを入れるだけなので感染もなし、痛みもなし、腫れもなしといいことばかりでこちらも患者も楽である。
インプラントが一番歯科で簡単な治療に思えるぐらいである。
矯正治療については今日はハーフリンガルの患者さんがみえた。ハーフリンガルとは上顎の装置は舌側から下顎の装置は唇側からである。歯並びの悪い多くの患者さんでは第1小臼歯(前から4番目の歯)を間引きすることでそのスペースを使用して歯を並べていく。舌側
矯正の場合前歯6本を1ブロック、奥歯左右3本づつを2ブロックの合計3ブロックに分けて治療を進めていく。唇側
矯正の場合は前歯4本を1ブロック、奥歯と犬歯で左右2ブロックの合計3ブロックで
抜歯したスペースを閉じていく。
舌側
矯正がなぜ難しいかはワイヤーの長さに関係している。歯の列の外側と内側では当然内側の方が狭くなる→すなわちワイヤーの長さが短くなること意味する。歯を動かすのに時間がかかるのは短いワイヤーである。
歯はワイヤーの弾性力やゴムを応用して動かしている。ワイヤーの弾性が緩く持続的であることが一番早く動くことになる。その点ワイヤーの短い舌側
矯正では時間がかかることになる。それとブラケットと呼ばれる装置と装置の距離が舌側
矯正の方が短くなる→すると硬い合成のあるワイヤーを装着するのは難しくなる。
現在、ワイヤーの種類は材質により大きく分けて
ニッケルチタンワイヤー、エルジロイワイヤー、TMAワイヤー、温度変形する
ニッケルチタンワイヤー、ステンレスワイヤーの5種類である。温度変化する
ニッケルチタンワイヤーは27度、35度、40度で弾性力が復活する変わったワイヤーである。いわゆる形状記憶ワイヤーで27度のものであれば26度までは弾性力がない状態でフニャけた状態で27度になると急に弾性が回復するものである。舌側
矯正ではこのようなワイヤーを使用しながら歯を動かしていく。
矯正治療開始当初は歯並びが当然一番悪い状態であるのでこのように柔らかい細いワイヤーを入れることでなるべく痛みを減らしながら徐々に歯を動かしていく。最終的にはステンレスワイヤー(一番剛性が高い)ものがはいるようにする。
左上の画像はハーフリンガル
矯正の口元
左下の画像は上顎舌側装置
右下の画像は下顎唇側装置