今日は午前中に左下2本の
インプラント植立のオペが行われた。7年前に右上の4番、左下6番にした
インプラントは現在でも健在でこの患者さんはそのとき以来継続して歯周病と
インプラントのメインテナンスをしてきた。去年に左上の5番目を失い今年に入って左下の5,7番に動揺がおこり、そろそろ
インプラントに交換した方がいいということで決断された。最近の傾向としては5年ぐらい前に
インプラントをされて調子が良くて追加で他の部位をされるケースが多くなってきている。適材適所に
インプラント治療を行うと効果覿面であるが万能ともいえない。欠損部に対しての現在の治療法はブリッジ、
義歯、
インプラントがあるがその中では
インプラントがいい場合が多い。
現在の
インプラント治療の成功基準は10年で96%ということになっているが100本入れれば4本は抜けることになる。抜けた場合はフォローアップで骨の治癒を待ち再植立となる。このように
インプラントは再治療も含めればほぼ100%の成功率となる。
それとこの成功率の基準は非常にあいまいで骨の状態により成功率は上下することは明白で骨に厚みがあり高さもある場合は限りなく失敗率は0にできると思う。骨の状態さえよくできれば万能になるであろう。そこで再生医療の分野で骨の再生について研究され近い将来骨は自由につくれるようになるであろう。
あとは材料費が非常に高価なためにもっと安くすべきであると思う。(メーカーの方々へ)
インプラント治療は他の歯科治療と異なり歯科医師のよしあしで相当に成功率が変わると思う。現在YAHOOで検索すると
インプラントについて書かれたホームページが非常に多くこれだけの多くの歯科医師が
インプラント治療に携わるようになったことに驚く。わたしは多分
インプラントについてのホームページは日本国内で初であることは間違いないが、その当時はわずかしかなかった。インターネットで
インプラントと打ち込めばいくらでも情報が得られる時代になった。患者さんにとってはとてもいいことだ。
しかし、歯科医師の技量と言うものはどうなったか?この10年で確かに一部の先生は非常に勉強され飛びぬけて技術、知識が伸びてきた。その反面それぞれの歯科医院の経営体力に格差が出始めた。とても両極端になってしまった。ある意味専業化が進んできたということか。
インプラントに非常に強い歯科医院、
審美歯科中心、ホワイトニング中心というように専業化されてきた。これはUSAの影響があるのだと思う。向こうは専門医制度が導入されていてその分野だけの治療をおこなう。そして大学病院でもいろいろな科目に分かれている(保存科、補綴科、口腔外科、小児歯科、放射線科など)ここにひとつの落とし穴がある。一人の患者さんを診断するいわゆる設計士的な存在が抜けているということだ。その患者さんを担当するそれぞれの専門医はその分野には長けていても総合的に診断することができないのである。そのために連携がうまくいかずいつまでも治らないという現実がある。
これは大学の教育方針、国の教育方針に問題があると思う。
少々話が飛躍してしまったが
インプラント治療だけできてもしょうがないということを言いたかった。
インプラントを勉強するだけでは患者のためにはならないということ。患者さんの希望に沿える治療を行うにはすべての分野に長けていなければならないということ。
私はどうかというとすべての治療をしているうちに知らぬ間に
インプラントが増えたというだけである。