今日のオペでは最近私がほとんどのケースで行う
フラップレス法とソケットリフト法の組み合わせで右側上顎7番の植立と下顎右側6,7番の計3本の
インプラント植立をおこなった。
フラップレス法と通常の切開法の使い分けはCT検査において骨の登頂部が平坦で広いか大きなかなぼこの形をしたもので見た目に影響のない奥歯が適応症である。ただし、付着歯肉と呼ばれる部分が少ない場合や
抜歯後間もないケースでは切開法をおこなう。
この
フラップレス法と同時に出来ると考えられるのはソケットリフト法による上顎臼歯部の骨の高さの増骨とリッジエキスパンション法による上顎の骨の幅の増大である。ソケットリフト法との併用は比較的簡単であるがリッジエキスパンション法は正確に骨の情報がなければできない方法である。
CTスキャンが去年の9月に当クリニックに導入されてからは、なるべく患者さんも私も楽になる方法をいつも考えてきた。このような方法はどこの研修会でも教える場所はなくほぼ独自の方法である。
切開することで骨が空気に触れた途端から骨表面の骨細胞は死滅し、なにもしなくても骨は1mm減少してしまう。
フラップレス法を行い、さらに1回法の
インプラントを使用することで空気との接触がほとんどなく外科的なダメージを
インプラントの周囲組織に与えず骨の減少を抑えることが出来る。
今朝のテレビ番組で心臓のバイパス手術の代わりにカテーテル治療で数万人の患者さんの命を助けた話を聞いたが、現代の医学の方向性は切らずに治すことであるように思えた。王監督の胃がんの切除を内視鏡により
行い短期間で回復させる方法も同じである。
これからもいろいろな方法でなるべく患者様の苦痛を少なくする努力をしていくつもりだ。