セルコン
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セルコンは、スイスのチューリッヒ工科大学とドイツのデグデント社によって開発された酸化ジルコニウム(
ジルコニア)含有の補綴材料である。金属と同等の強度、セラミックの生体親和性、審美性を有するため、
金属アレルギーや審美を求める患者の歯科補綴治療に使用されている。
現在まで歯科補綴材料には金属にセラミックを焼き付けた金属焼付陶材冠(メタルボンドポーセレンクラウン)が1960年代より広く使用され、特に前歯の差し歯に一般的に普及している。しかしながら金属の裏打ちによる色彩、
金属アレルギー、歯肉との境目の部分の変色等の指摘もあり、金属を使用しない、審美性の高いセラミックスのみの補綴治療に期待がされている。 しかしながらセラミックスの強度、製作の困難さ、適合性等の課題もあり、金属並みの強度を持ち、セラミック並みの審美性のある補綴治療材料が待たれていた。
セルコンは酸化ジルコニウム含有のセラミックス
ジルコニアブロックをCAD/CAM技術で削りだし、加工する材料であり、曲げ強度が900メガパスカルあることから、奥歯等のブリッジにも対応でき、口腔内全てをオールセラミックで補綴することを可能とした。
セルコンは世界中で最も普及している
ジルコニア。単独のケースから3歯のブリッジまでならば応用可能です。
4つの特長
強度
酸化ジルコニウムを主原料とした
セルコンベースで製作した修復物は曲げ強度が900MPa、弾性係数が210GPaと非常に高く、前歯部のみならず、臼歯部3本ブリッジにも適応が可能です。
また従来の酸化アルミニウムは、経年変化により破折危険な強度まで落ちてしまいますが、酸化ジルコニウムは結晶構造が緻密なため、経年変化後も臼歯部ブリッジに必要な強度を維持します。
審美性
金属で製作された修復物から金属イオンが溶出し、マージン部が黒く変色することがあります。この様な
症例に金属を一切使用しない
セルコンスマートセラミックスを使用することにより、マージン部の歯肉を健全な状態に再生させ、審美的治療を実現します。
生態親和性
口腔内の修復物の金属成分がアレルギーの原因となり、患者さんによっては体の皮膚に影響が出ることがあります。このような
金属アレルギーの患者さんにも酸化ジルコニウムを主原料とした
セルコン スマートセラミックスは、安心して適応が可能です。
安全性
セルコンスマートセラミックスは、2002年にドイツでデグデント社より発売後、既に世界で1000台が導入されています。この導入台数が、
セルコンスマートセラミックスの安全性を証明しています。
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