世界の流れは確実に
ジルコニアに向かっている。そのことはドイツのケルンで行われたワールドデンタルショーでもわかる。私の患者さんの半数はすでに
ジルコニアの被せ物を希望されるようになっている。あと1年もすれば全て
ジルコニアで修復することになるだろう。強度、生体親和性、審美性、実は適合性も問題なく、現在の歯科世界の中では最も理想的な材料であることは間違いない。
そして各メーカーが一番力を入れているのがこの硬い
ジルコニアを加工する
CAD/CAMと呼ばれる機械である。歯を削るとそれをセラミッククラウンにするには今までは模型上でワックスで歯の外形を作りコアをつくりメタルコーピングをロストワックス法で埋没鋳造しそのメタルコーピング上にマスキング、デンティン、エナメル、トランスなどのセラミックパウダーを軽く水に溶かして筆で積み上げていく地道な作業の繰り返して全てがハンドメイドであった。この工程のうちメタルコーピングの部分をコンピューターで読み込みをして読み込んだデータから精密にメタルコーピングの代わりの
ジルコニアコーピングを
ジルコニアの厚いディスクやブロックから全自動で削りだす。その
ジルコニアコーピングの上にナノ粒子のセラミックパウダーを従来通り盛り上げてポーセレンファーネスと呼ばれる炉(釜)の中で焼き上げる。
即ち、今までの1/3程度は自動化されることになる。この自動化する機械が
CAD/CAMである。歯科業界で一番変化するのはこの部分であり歯科
技工の分野である。
ジルコニアは8時間ほどの焼成をすることで本来の曲げ強度900MP以上のとても硬い材料になることが知られている。
日本ではまだまた厚生労働省の薬事法の関係で3年後の出遅れた普及となるだろう。当クリニックでは
セルコン、
ゼノテックを主流に使用する。世界の流れの中で最も普及したものが
セルコン、最も適合性能が高いのがゼノッテクであることはドイツ視察でもわかったが各メーカーの開発は
CAD/CAMに向かっているので今後は大変な競争市場になることは間違いないだろう。