タイユナイトVS SLActive
タイユナイトVS SLActiveのDEBATE(討論)が行われた。討論というよりは単に比較といったところだろうか。なんのことを言っているかわからないと思うので解説しよう。
インプラントが骨と結合する場合必ず骨の表面と
インプラントの表面が接触をしてから次第に
インプラント表面を骨細胞が覆い
インプラントと骨が結合する(オッセオインテグレーション)その際に一番重要なのは
インプラントの表面の粗さである。ブローネマルク
インプラントの初期のものは機械研磨加工されていたので
インプラント表面はツルツルしていた。しかし、近年
インプラント表面は荒れていた方が骨との接触面積が増して有利であることが証明された。ブローネマルクシステムやリプレイスセレクト
インプラントは
ノーベルバイオケア社の商品であり全てにおいてタイユナイトと呼ばれる
インプラント表面性状をしている。そして
ストローマン社の製品のITI
ストローマンインプラントはSLActiveと呼ばれる表面性状をしている。どちらが有利かいえばITI
ストローマンインプラントのSLActiveであることは明白である。
ストローマン社では20年前ぐらいからこのようなさまざまな
インプラント表面性状の研究データを発表してきた。最初はTPS→SLA→SLActiveというように3段階に進化している。その研究の過程でタイユナイト類似の表面性状も研究されていて明らかにSLAの方が有利なことが証明されている。実際に私も臨床で両者を使ってみてもSLAの方が信頼は高い。もともとブローネマルクの
インプラントは機械研磨加工のものが主流であり経営不振のひとつはこの古い表面性状をいつまでも誇示し続けたからである。途中から方向転換をしタイユナイトを世に送り出した。いまだに思うことは今回の討論も全く討論になっていない。結局のところ自社の機械研磨加工のものとタイユナイトを比較しただけのデータ開示となった。期待して聞いて損をした感じである。それでも機械加工の昔のブローネマルク
インプラントに比較すれば相当に進化している。ITI
ストローマンやHAコーティングされた
インプラントとは所詮比較にならないのは
ノーベルバイオケア社もかわっているはず。