ノーベルバイオケア主催ワールドカンファレンス総括
私はいろいろな
インプラントの学会や研修会に出てきたがこれほどに自社製品の売込みを目的としたワールドカンファレンスは初めて見たというよりも驚きである。
インプラント治療の経験の少ない先生がこのカンファレンスに出席していれば間違いなく彼らの戦略にズッポリとはまってしまうだろう。全てのセクションにおいて自社製品を褒めちぎるあたりが気に食わない。K-1かプロレスと同じ会場で派手にパフォーマンス。会場内には他社製品がひとつも置かれていない徹底振り。派手なパネル。世界中と衛星中継でつなぎライブオペのオンパレードで患者が喜んでもいないのに無理やりシャンパンを持たせてスマイルを求めて最後に『なんてすばらしい仕事だ!!ワンダフル!!』がお決まりの文句。
会場内では飲み物、アイスクリーム、シャンパン、昼ごはん、パーティーがおこなわれ我々お客様のためにいたせりつくせりである。
このような手法で飛びつく馬鹿ドクターもいるかもしれないが、私は常に冷静にどの商品が使えるのかじっくりと見てきた。一昔前の
ノーベルバイオケア(旧ノーベルファルマ社)はもっと堅実に商品を学術面からしっかりとサポートして売り出していたように思う。経営が傾いて今の
ノーベルバイオケアに変わってから一変した。とにかく商品を売り込むためならなんでもする。学術面を軽視し、データ実績がわずかに2~3年の商品を市場に送り込む。人体に埋め込む商品をわずか2〜3年のスパンで世の中に送り出すことはとても危険なことである。自分の体に
インプラントを入れるならばしっかりと10年以上の研究データで問題ないことを治験で実証してから世に送り出してほしい。世界で一番実績のあったブローネマルクシステムも信頼性が毎年低下しているのはこのようなことからである。
それと商品開発にあたり独自性は感じるがその全てにおいて他社の製品のアイディアをすぐに商品化しているように思う。自らひとつの流れを作りその流れにドクターや
技工士を巻き込もうとしているように思う。