ここ最近
矯正治療に関するコメントをしていなかったので少し新しい情報を書こうと思う。歯並びが良い人悪い人がいるのは生まれつきであろうか?骨格的なものもあれば筋機能の不調和から来るものもある。実をいうと歯は口の周りの口輪筋や頬筋と舌とのバランスの取れた位置に収まっている。老化すると口の周りの筋力が衰えてきて舌の圧力の方が勝り歯が出っ歯になる傾向にある。最近言われていることは『筋力が骨の形成を誘導する』とまで言われている。咬む力の強い人は下顎のえらが発達して口元が引っ込んだ感じになりやすい。その逆に咬む力の弱い人は下顎が伸びやすく面長になりやすい傾向がある。そして骨は力の強くかかる部位は硬化して硬く増殖していくが力のかからない部位は衰え痩せていく。歯を全て失うと咬む力が弱くなるので顎の骨がやせてしまう。
インプラントを入れるとその周りの骨は再び強くなることも知られている。
インプラントも
矯正治療も骨のことをよく知らないと治療はうまくいかない。
矯正治療では筋肉のこともよく知らないとうまくいかない。舌の正常なポジションというのが左上の図の部位に来ることだ。これが出来ない方は嚥下、発音、睡眠、呼吸、などに影響される。逆にこのポジションを取れない方はMFTと呼ばれる筋機能療法が有効である。
口腔筋機能療法とは、舌や口唇(こうしん)など、歯に関連する筋肉のバランスを整えるためのトレーニング法である。
ちなみにMFTは、
矯正歯科、小児歯科の診療室で、不正咬合と関連した口腔周囲筋の機能改善を目的として主に歯科衛生士や歯科助手によって行われる。
矯正治療で咬み合わせや歯並びをキレイに整えると、それによって舌癖が改善されるが、なかには口のまわりの筋肉が新しい歯列の環境についていけず、改善されない場合がでてくる。例えば、治療後も食べ物を飲み込むときに舌を前に出すクセが治らなかったりすると、歯はまた押されて出されて歯列は後戻り。MFTはそんな舌癖がある場合に有効で、トレーニングを通じて咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)といった正しい動きをマスターすることで、歯にかかる余計な圧力をなくすことができる。
★ 舌の筋肉の力を強める
★ 唇や頬、口のまわりの筋肉に力をつける
★ 正しい飲み込み方を覚える
★ トレーニングで覚えた舌の位置や唇の状態を保ち、
生活の中でそれを習慣にする
下の図はこんな感じの簡単なトレーニングを毎日数分してもらうだけで改善できる。