今日の私は午前中だけで午後からは
ノーベルバイオケア社主催のDr.Maro
ALL ON FOUR(無歯顎ケースで4本の
インプラントで12本を回復する)セミナーに参加した。去年のリスボンのマロクリニックでの講義とほぼ同じような内容ではあった。これの考え方の
根底には『骨の質がよければ短く細い
インプラントでもALL ON FOURができる』という考え方があるようだ。この考え方は今の
インプラントの基本とは全く違った考え方である。何万本という
インプラントを植立してきた経験から硬い骨ならば4本の
インプラントで十分であるということのようだ。無駄に6本以上の
インプラントで12本の歯を回復するのは患者にとってコストがかかり清掃性も悪くなる。そして無駄な増骨はなくせるという考えからだ。今日の講演会ではすでに8年経過のデータを出されていたが上顎成功率98%下顎99%という高いデータであった。このようなデータは彼のクリニックからしかいまだにだされていないことに私は問題があると思っている。10年以上のデータが各国の有名ドクターからでてくれば初めてこの術式は世界的に認められたことになる。10年以上前には
インプラントが1回法か2回法かという議論からITI
ストローマンインプラントが変人扱いされた時期もあるわけでデータが揃えば確実なプロトコールの上でどこの先生も同じ術式をおこなうようになるだろう。
この技術の歴史はまだまだ浅いのでもう少し様子をみたいが、どうしてもこの方法のメリットの方が上回る患者さんも年間2~3人は存在するのでこの方法を慎重に行いたい。
ノーベルバイオケアの宣伝広告からすると全ての患者さんに適用可能であるかのようなパンフレットなど非常に問題があると思う。そして有名な
インプラントドクターをかき集めての講演に違和感を感じる。今日呼ばれた歯科医師のメンバーをみれば明らかにITI
ストローマンインプラントユーザーを意識したメンバーである。