歯は常に動く可能性がある臓器である。歯は口の中に納まっているが全てはバランスが取れている状態ではじめて歯は一箇所に納まっている。口の中には舌があり舌は筋肉の塊である。舌は常に歯を裏から押す存在である。それを抑えるのが唇と頬でありこれもまた筋肉である。そして上下の歯が緊密に噛みこむことで歯は一定の位置に納まるのである。即ち、これらの筋肉のバランスが崩れたときに歯が動き出すことを意味する。歯が抜けて放置すれば少しずつバランスが崩れて抜けた部位に向かって他の歯が動き始める。また、20歳ぐらいになって次第に歯並びが悪くなったのは親知らずが後方から前方の歯を押すようにして生えてくるからだ。それ以外には咬む力が関係している。咀嚼筋と呼ばれる筋肉の力が強すぎると歯の周囲の骨が変形していくこともある。
矯正治療はこの法則を利用して均衡を崩して歯を移動させたい位置へとワイヤーやブラケット装置で誘導する治療法である。歯を動かす力はわずかに20~30グラムの弱い力で十分でありこれでも強すぎるといわれている。皮膚を指で押してへこんだぐらいの力である。とにかく非常に弱い力で均衡は崩せるので、なるべく弱い力で動かした方が逆に早く歯を動かせる。歯はブラケット装置とブラケット装置を通したワイヤーに沿って動いていくが摩擦が多き装置ではある程度の強い力でワイヤーとブラケットを滑走するときの摩擦抵抗より強い力で引く必要がある。最も摩擦抵抗がない装置が
デーモンシステムということでワイヤー
矯正の中では最も歯を早く動かすことが可能である。