私も多くの種類の
インプラントそして２０００本以上の
インプラントを１４年間にわたってメインテナンスをしてきた。その経験から今までのブログの記事を書いてきた。
インプラント治療をするにあたって
インプラントの種類はさほど重要でないと考えている。それぞれの
インプラントを適材適所で使えばいいことであり、それぞれのシステムに対して熟知していれば問題ないと考えている。（
アンキロスがいいとかブローネマルクが悪いとかは非常に細かなレベルで比較するとという意味である。）
インプラント治療を１０本しか経験したことがないドクターと１０００本以上植立したドクターでは当然のことながら後者の方がうまく
インプラントを入れることが出来るかもしれない。それでは
インプラント経験年数が２~３年で１０本入れたドクターと１０００本入れたドクターとの差は９９０本の差でしかない。
インプラントを植立する技術は割りと短期間で身につくがその
インプラントが１０年以上経過したことを見届けていなければ何の意味もない。
これから書くことは
インプラントがまるで失敗だらけのように感じあるかもしれないが
インプラントの失敗は手術をした直後から起こる。
インプラントが骨の中に埋め込まれた位置による問題で炎症がおこりさまざまな症状が出てきる。９９．９％以上の方はこの症状は一過性のものである。その後、
インプラントが骨と結合できる可能性は９８〜９％以上であるが年間で４００本入れれば骨の状態の悪いものや全身的な問題から感染し抜け落ちることが３〜５本ぐらいは存在するであろう。上部構造体をいれて歯として機能をしてから抜ける場合は３年目ぐらいで落ちることがある。このような失敗は咬合力過剰負担によることが多く設計に問題があるケースに多々見られる。
インプラント学会で言われている
インプラント周囲炎と呼ばれる歯周病での喪失は実はとてもすくない。３年目で抜け落ちる可能性はひとりの患者に集中することが多い。その理由はほとぞれぞれが咬む力が違い、１００の力で物を咬む方もいれば５０の力しかでないひともいるので、咬む力が強ければ
インプラントと骨が結合をしても
インプラント周囲から骨がはがれることも考えられる。なぜだかこのようなことが
インプラントの講演会で話す先生が少ないことに驚く。私ならばこのことを強調して講演するだろう。３〜５年以上経過した
インプラントで抜け落ちることはよほどのことがない限りないように思う。即ち、５年以上
インプラントに問題がなければその後も継続的に長持ちする可能性が高いということになる。
このように私も多くの失敗経験があるからこのような記事を書くことが出来る。そして失敗した後は必ずフォローをして穴埋めをしている。再度の植立で
インプラント治療のやり直しをする場合やその他の治療法に変えて行う場合もある。そして最終的には患者さんに笑顔で帰宅していただくことが一番重要であろう。失敗をしたとしても途中経過であり、最後は患者さんが笑って帰る方がほとんどで、
インプラント治療で多くの患者さんを幸せに導いていることも事実である。
例えば、最近
ノーベルバイオケア社が盛んに勧める早期加重などの新しい技術は確かに良い面もあるが長期的な成績が出ていないことから短期〜１０年間に
トラブルが発生する可能性がある。確実性は低いと考えているが、
症例によっては絶大な効果を生む。パフォーマンスがよくても失敗の可能性が高ければ遠回りになることもある。そして患者が一番望むことは生涯において安定した安全なそして
トラブルの少ない治療法をドクターに選択してほしいというのが本音であろう。
メーカーの言いなりでは馬鹿を見るのは我々歯科医師と患者である。メーカーの真意を見抜く力が必要だ。それにはいろいろな勉強会に参加してどれが正しいのか自分の基準をしっかりと持つこと（
インプラントを始めるドクターに警告！！）
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