初日
フランク・レノア先生はフランスのパリにクリニックを持ち、郊外のニームにワイナリーをもっている。今回の講義のロケーションはニームにあるフランクの所有するワイナリーのワイン加工工場内ののどかな場所での講義となった。宿泊のホテルから10分ほど離れたワイナリーまでバスで移動する。あたり一面ぶどう畑の中にポツンとワイナリーは立っていた。開放的なワイナリーの一室に液晶プロジェクターを配置して講義は始まった。
本日の講義内容はサイナスリフト法(上顎洞挙上術)についてである。上顎臼歯部においては歯を失うと骨の高さが急激に減少して
インプラント植立が困難になることが多い。こうしたケースにおいて上顎洞と呼ばれる鼻に通じる空洞内に骨を再生させる技術にサイナスリフト法がある。朝から夕方までこの分野だけの講義を聞くのは初めてだった。フランクはとても明るくサービス精神、ちゃめっ気がある人懐っこい性格で講義の途中にジョークをたくさん盛り込んで飽きさせないようにしてくれた。とても多くのケースを経験していることもありあらゆる困難なサイナスリフトのケースについての対処法、失敗
症例を数多く提示された。これほどの失敗
症例とその対処法について動画で提示できるドクターは過去に経験したことがない。とてもすばらしいことであり大変ためになった。
ランチは近くの農園でとれた新鮮な野菜とアンチョビのドレッシングのみである。これもまた初めての経験である。大抵のヨーロッパスタイルではサラダ+お肉といったパターンでとても新鮮に感じられた。そして飲み物は当然のことながらワインである。長めのランチといろいろな話をしながら落ち着いたところで午後の講義が始まった。ひたすらサイナスリフト法、そして
トラブルケースに対する対処法の講義が続けられた。
5時まで続けられた講義からホテルに戻り、6時集合でニーム市街にあるレストランに向かう。フランス人は他のヨーロッパ人に比較すると食べないという印象である。街中のストリートに面したレストランでほとんどの人がワイン+軽い食事である。ディナーはやはりフランクのワイナリーの赤ワインオンリーである。そしてなす、パプリカのオリーブソースがけ、羊の肉、フランスパン、デザートである。フランク夫妻の長いおもてなしが終わり本日は終了となった。