矯正治療においてよくあるのが、引越しや転勤、お産により通院していた医院へ通うことができなくなるケースだ。数時間かけてもまだなんとか通える範囲であれば元の
矯正歯科で治療を受けた方がいい。しかし、全く通えない場合は転医を考えるしかない。その場合に大きな問題となるのが
矯正医によって治療法や使用する装置が違う点だ。
矯正用のブラットはいろいろな種類が出回っており同じ物かどうかを同定することも困難である。ブラケットは左右と歯の種類ごとに大きさや厚みや角度がそれぞれに変えてあり更にスロットのサイズも0.22と0.18の2種類がある。そして、表の装置と裏の装置に多種多様であり全く同じものが他の
矯正歯科に存在する確立は非常に低い。更にブラットを装着する位置が0.5mm単位で
矯正医によってことなる。また
矯正治療の最終的な責任の所在が不明になることもあり、受け入れ先は相当に少ないだろう。それと、治療費が追加で発生することは覚悟するしかないだろう。大抵の
矯正医院では、全く初診扱いで最初からの治療費で引き受ける場合がほとんどだ。
矯正治療費は初回に支払うことが多く、すでに全額支払ってしまっているケースが多く2重の治療費が発生してしまう。
私の医院ではこのような患者さんも条件付で受け入れることにしている。
矯正の検査と診断は最初からおこない、
矯正装置料金は本来の治療期間の何割まで進行しているか計算して残りの期間分の治療費を特別に決める、装置の付け直しが必要なケースでは材料費を追加でいただくことにしている。
お産の場合は
矯正のワイヤーとブラケットで歯を動かしている途中であればお産の1~2ヶ月前からお産後の1~2ヶ月後までを一時中断する。このとき問題になるのは装置が外れてしまうケースである。装置が外れなければ歯ブラシをまめにおこなってもらえればそれほど大きな遅れとはならないだろう。