今日の午前中は9年前に私が装着した前歯のブリッジの一部の歯が歯周病でやられてしまい、フォローアップの治療相談を患者さんに自らお話させてもらった。
長い付き合いの患者さんであり初診から1年ぐらいの間は歯周病の改善の治療に没頭していたことがカルテからわかった。前歯がぐらつきスーパーボンドで固定をしてもしばらくすると外れていたようだ。そして、持つ歯だけを残してブリッジとした。
右上4番にはもともと欠損がありその部位は
インプラントで回復をした。数年の間に今度は手をつけていない左側の下の歯が欠損となりここも
インプラントで回復した。更に数年経過して上顎の左側の奥歯もだめになり先日、サイナスリフト法で骨を回復した後に2本の
インプラントで左側の臼歯の咬合機能を回復させた。この間に9年前の右上4番の
インプラントと前歯のブリッジに大きな咬合負担がありブリッジの土台になる歯と
インプラントが浮いてしまった。
CT画像とシムプラント画像よりフォローアップの説明を聞いてくださり、納得してお帰りになった。
インプラントが万能でないことは私も良くわかっている。
インプラント1本が咬合負担できる歯の本数は2本ぐらいが限度ではないだろうか。バランスが崩れると咬合負担が一気に残りの歯に過重されてしまう。こうしたときに
トラブルが起こる。今回は奥歯の欠損状態が長く続き、
インプラントと残りの歯に過剰負担がかかったことから脱落した。
私のクリニックで
インプラントが脱落するケースはほとんどが上顎であり、特に
インプラントをされる前に重度な歯周病であり咬む力が強い方に限局される。キーポイントは
強い咬合力である。
インプラントと骨が結合しても骨から引き剥がすような強い咬合力を持つ方に対しては太くて長い
インプラントが必要になる。それと夜中の強い歯軋りとくいしばりも要注意である。