今日は2人の
インプラント相談の患者さんがいらした。2人ともとてもヘビーなケースである。午前中の患者さんは重症な歯周病からしっかりとした固定式の
インプラント治療をご希望された。初診時に前歯の動揺と臼歯部がいまにも抜けそうな状態であり、これでは食事もできず、2週間ほとんど物を食べていないということだった。このような状態で
インプラントのお話をするよりすぐにでもとりあえずでもいいので咬めるようにすることが最優先である。
抜歯が必要な歯ではあるが今日できることはスーパーボンドで歯と歯を連結してなんとか物を咬めるようにすることだった。歯の表面を研磨し汚れを落として接着力に期待する。落ち着いたところで
インプラント治療の流れについてお話した。最後に
CT検査により骨の状況を診断する資料取りで終える。
午後の患者さんはすでに他の施設で口の中には8本の
インプラントが打ち込まれていた。しかし、数回の
インプラントのやり直しをされて今は何とか仮歯が装着できている状態になっていた。骨がとても薄い状況でかなり無理をした植立となっていて、実際に使用できるかは
CT検査の結果をみて決めようと思う。
そして、電話での
インプラントの相談も私のスタッフと行われていたようだ。それもまた他の施設での
インプラント治療の
トラブルに関する治療相談だった。
このように私が数年前に予測した通りに爆発的に
インプラント治療が行われ、
トラブルケースも激増している。
インプラント治療に関する経験と知識のなさが患者さんを不幸にする実態となっている。自分で最後まで責任を取れないような治療はすべきでないと思う。そして、自分の能力の限界を見極めた治療をして、出来ないケースは患者さんにはっきりとできないと言う方が患者さんのためになるだろう。
そして、常に新しい知識を得る努力をしてほしいと思う。今治療している患者が自分の親戚や子供に治療をするのと同様な治療をしてあげられるか?(これに尽きるのではないだろうか)