歯を失った場合の選択肢は回りに歯があればブリッジか
義歯か
インプラント治療ということになる。ブリッジは簡単に歯を削り連結した被せ物を装着すれば完成である。外科的なリスクもなくとても簡単である。
義歯も歯型をとって装着すればそれでおしまい。こちらも非常に簡単で手ごろである。
それでは
インプラントはどうか?
インプラントは骨に穴を開けてチタン性の土台を埋め込む治療であり正しく使用すれば他の治療よりも格段に快適な生活が送れるようになる。しかし、商売的に薄利多売で
抜歯と共に次から次へと
インプラントにしていく行為は全く間違った使用法といえる。ここ数年の問題は薄利多売主義でメーカーと歯科医師との間で多くの
インプラントが教育なしに提供されたつけが問題をおこしていると思う。
口腔内で現存する問題のない歯を合理主義のもとでどんどん
抜歯をして
インプラントに置き換える行為は間違っていると思う。
私は患者さんが求めて来たときかどうしても必要に迫られた場合のみに
インプラントを選択している。
インプラントの本数が毎年毎年増えている病院には何か隠された問題点があるように思う。
今日の午後一番の患者さんは数週間前から左下6番の歯茎の腫れがひどくレーザー治療、歯周ポケットソウハ術投薬などをして見たが炎症の引きがとても悪かった。レントゲン写真は2度撮影したが遠方の骨が溶けて歯周病のような状態になっていた。しかし、他の歯は全くの健康な状態でありここだけ1箇所悪くなるのはとても珍しいことである。神経が存在する生活歯ということもあり
根の破折は全く疑っていなかった。
そして、昨日に物を咬んだときに音がして歯が2つに割れてしまったのだ。このようなケースにおいて第1選択は
インプラント治療となる。ブリッジなら健全な歯を2本削り細くしてしまうからだ。
このように必要に迫られたケースには当然ながら
インプラント治療を勧めることになる。
インプラント治療に代わる良い治療法は今のところないわけで第1選択肢となることが多いだろう。しかし、全くの元と同じレベルに骨を回復して歯の大きさや歯茎の位置を回復させることは無理である。ブリッジや
義歯と比較すると格段に良いけれど完璧ではない。