昨晩はラボと1時間ほど来年度の方向性についてお話をさせてもらった。私は来年は
インプラント以外は金属製品を口の中からなくしていこうと考えている。口の中に入れるものは錆びない変色しない材質が必要である。例えば
星野歯科で
抜歯をした歯はビンの中に入れて保存をしているがそのうち数本は真黒になって変色をしている。神経を抜いてメタルの詰め物をしてあるものであり
根っこの先まで黒いということはメタルの錆により歯周組織が崩壊して
抜歯となった可能性が高い。またよくあることだが
根管治療をしていると黒い汁が出てくるときがある。その多くはメタルの詰め物をはずした後である。口腔内では唾液により金属は次第にイオン化して生体組織に溶け出していく。この金属イオンが歯の組織を崩壊させるだけでなく全身的にはアレルギー物質となる場合が多い。
口腔内に入る金属で特に銀製品は劣化しやすい。保険の金属も当然ながら銀が多量に含まれている。つまりはどこの歯科医院でも当たり前のように詰めている金属も有害である。
ジルコニア製品はこれらの金属に置き換わる生体材料である。強度や見た目、生体との相性などすべてにおいて優れる。現時点では歯を全面修復するものにしか使えない。現在は
星野歯科でも
ジルコニアオールセラミッククラウンの1種類を扱っているが、来年度は
ジルコニアより硬度の低い加工しやすい製品が出回ってくるのでそちらも扱う予定である。
金属を使用した治療は極力なくしていきたい。保険にこれらの材料が使用できるようになることはまずないので自費での提供ということになるだろう。
よく考えてみると銀のスプーンなどしばらくすると黒くなるようなものを当たり前のように金属を口の中に入れていることに罪悪感を感じる。そういったことから金属のインレー治療は数年やったことがない。どうしてもというときだけにしている。