今年も終わりが近づき急患や今年治療をご希望していても時間がなくて来れない状態の患者さまから来年からは治療をしたいといった相談が多くなっている。
ここ最近の
インプラントオペはパラパラと単独や2本程度の比較的単純なオペである。今日の患者さんは今回で3度目の
インプラント患者さんである。臼歯部の3本連続のブリッジに問題が出て
インプラントの植立となった。同じ患者さんで何度もオペを行う方の多くはブリッジが口腔内に残っているためである。とにかくブリッジは撲滅した方がいいと思う。数年後に
トラブルを起こすケースが多すぎる。安易にブリッジをかけるべきではないと思う。口腔破壊行為である。
ブリッジで長期持っているものに遭遇するがとても稀なことである。保険制度で簡単にブリッジが掛けられるうちは
インプラント治療が減ることはないだろう。どこかでブリッジを入れる歯科医師がいればその逆にどこかでそのブリッジを
インプラントにしている医師がいる。そのうちの一人が私である。
被せものについても同じことが言える。神経を抜いて歯の中央部にメタルのコア材料をいれることもある意味、口腔破壊行為であると思う。歯が割れる多くの原因は、歯の神経を抜かれ、メタルのコア材料が装着され、てこの原理で割れることが多い。一度入れられたメタルのコアは外すときにさらに歯を削るので除去はとても難しい。そのような場合は私はコア材を残して被せものだけをやり直すことにしている。リスクの高い治療は減らすようにしている。
コア材で一番良いとされているのはファイバータイプのコアである。つりざおやゴルフのシャフトがすべてこの材質であり柔軟にしなることで本体の歯が割れなくて済む。
長年歯科をやっていると患者さんの口の中を見ればいずれどこの歯が壊れていくかはある程度予想がつく。しかし、患者さんは目先のことしかわからず、数年後に私の予想通りの結果となってしまうことが多い。
そこで私はブリッジ治療はなるべく行わない。メタルのコア材はいれない。保険のインレーやらない。などを実践してきた。なるべく歯をけずらないようにしている。保険の良いところは患者さんにとって治療費が安いことだけで、治療のバリエーションは少なく、これで満足している方はあまりいないと思う。
歯科医院の方針が保険治療中心であるほど一人の患者さんに掛けられる時間は少なくなる傾向だ。私の考えでは一日に最高の治療をしようとしたら10人〜15人ぐらいで限界である。もし、仮に30人を診察する歯科医師がいれがひとりの患者さんに15分程度の治療時間を割り振ることはできない。
歯科治療はある程度の時間を掛けなければどこかで手を抜くしか治療方法がない。
私の考えではこのような中途半端な治療をするならやらない方がいいと思う。そのような治療をやりたい歯科医がやればいいと思う。私は、治療をするからには責任もあるしっかりとした自費治療を提供したいと思う。