ジルコニアを導入して早くも1年が経過しようとしている。私の患者さんの8割が
ジルコニアを希望するようになった。1年間
ジルコニアセラミックスの啓蒙活動の成果だろう。そしてたぶん、日本で一番
ジルコニア修復をしている病院になったかもしれない。1年間の結果よりいろいろなデータが出てきた。毎日のように
ジルコニア修復物を患者さんに装着してきたがその中での
トラブルは極めて少ない。ひと月に20〜30本ペースで12か月で約240〜360本の
ジルコニアセラミックスの中で
ジルコニアのフレームから壊れたものは1本だけとなった。使用した部位は下顎の7番の単独修復で対合歯とのクリアランスが少ない後方部よりフレームごと破壊された。そのひとつ前方の6番目の歯の被せものは他の施設で装着された従来型のセラミック修復でありこれもセラミックがはげてメタルが露出していた。それ以外の
トラブルは一部のセラミック部分がわずかにチップするケースが1ケースあり、それ以外は順調に経過している。
強度的には
セルコンジルコニアの場合は曲げ強度が900メガパスカルであり通常は壊れることはまずないだろう。しかし、噛む力が極端に強いケースではやはり注意が必要だろう。このようなケースに対しては夜間のマウスガードの使用を勧めている。
来年度はほぼ100%の
ジルコニアとしてメタルフリーをここらがけるつもりだ。アレルギーのない、生体にとって一番安全な材料で大事なのは副作用がないことである。
左上の画像は先日被せものがはずれた患者さんのケースであるが、金銀パラジウム合金の内面が完全に錆びた状態である。保険の金属はこのように長期的には錆びて劣化するので、
金属アレルギーの原因や原因不明の粘膜疾患が体のいたるところに発生するケースが出てくる恐れがある。
当クリニックではなるべく保険の材質はいれないようにしている。とにかく安全な材質を説明納得してもらい提供していきたいと思う。