今日いらした患者さんで最近頭痛がするということで脳神経外科へいらしたそうだ。そこで出た診断が歯が原因となる歯性上顎洞炎の可能性があるということだった。そして上顎洞に近い歯のレントゲンを見ると金合金の被せ物がされていて神経の治療がされていない状況であった。これらの被せ物を全てはずしてみると中のコア材質は
アマルガム(
水銀と銀の合金)であり黒色に変色していた。被せ物の境目からは隙間があり唾液や汚れが入り
虫歯になっていた。また、
アマルガムの錆びた液が
根の先を通して上顎洞内に入り上顎洞炎を起こしていた。
金と
水銀はイオン化傾向で比較すると貴金属のなかでも最も錆びやすい取り合わせであり、ガルバニー電流(Galvanic Current)
(異種金属が同一口腔内に存在するとき、唾液や歯の内部の組織液が電解質となり電位差の発生が起電力が生じ、電流が流れることがあることです。この電流が、疼痛・違和感・金属の味を生む事があります。アルミホイルを噛んだり、時々スプーンやフォークが歯に当たった時、嫌な感じや変な味がするのはこの為です。)が流れることが知られている。
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イオン化傾向
このように金属は空気中ではある程度安定した状態ではあるが口腔内という悪条件下と他の金属と触れ合うことで簡単に錆びてしまう。そして、その錆が原因不明の炎症や全身の皮膚炎をおこす。
当クリニックではこれらをなるべく防ぐために問題のある金属ははずしてセラミック等の安全な素材に取り替えています。