待ちに待った診療開始である。内装も変わり気分一転で患者さんの反応を楽しみに治療をはじめた。使いやすいような配置と小物が患者さんの目に触れないようにスタッフが設計したキャビネットを背後に、ぎこちない診療スタートである。診療材料の配置が変わりどの引出しに何が入っているかがわからずスローな立ち上がり。受付と診療室が完全に隔離されるようになったので患者さんの反応がわからなかったが受付から後で話を聞いてみると皆さんあまりの変わりようにびっくりしている様子ということだった。
室内音楽のCDは偶然にもテレビ番組の匠のBefor Afterのテーマ曲が流れている。クリニックBefor Afterとはまさにこのこと。
そのような中で早速、
インプラントのオペが2件行われ、
矯正治療ご希望の患者さまが1名。通院中の患者さまでお風呂で転倒して歯を折ってしまった方、差し歯が取れた方、歯茎から出血があった方、仮歯が取れた方2名、とやはり急患が多い。
今年から
金属アレルギーに対する歯科材料の選択を厳しくしていこうと思う。今までの歯科の材料の選択基準は教科書的に言えば金属が最も安定した材質であり耐久性があるということだった。しかし、それは
ジルコニアが出てくる数年前までの話である。昨年は
ジルコニアというメタルフリーの材質を推奨しているにもかかわらず金属の詰め物もおこなうことに抵抗を感じていた。そういうこともあり、なるべくメタルフリーとし、安定した安全な材質のものを治療に使おうと思う。
特に最近感じるのは、詰め物の金属が歯を黒変させているケースが非常に多いことである。その中で必ずと言っていいほど変色しているのは銀と
水銀の合金の
アマルガムである。
水銀に銀の粉を混ぜてしばらくすると硬化して硬くなる有害合金である。私も大学時代に実習で患者さんに詰めたことがある。この合金は数年で黒くなる。そして周囲の歯が黒く染まってしまう。銀には殺菌効果があるのでいい面としては
虫歯の進行を抑える役目がある。しかし、その反面歯ぐきや歯を黒くさせてしまう。前歯でこのような材質が使用されていれば最悪の事態になる。
どのような材質がよいのかについてはこれからも少しずつ書いていこうと思う。