歯周病が相当に進行した患者さんに対しての
インプラント治療は非常に有効である。過去１５年間でいろいろなケースを経験してきた。上下２８本の歯のうち、どの歯が保存可能かを検査することになる。３年以上前までは
ＣＴスキャンが導入されていなかったので、歯周ポケット検査６点法とレントゲンでどの歯が問題であるかを判断してきた。歯周ポケットが６�舒幣紊△詆�位に関しては重症個所であり
抜歯の対象部位である。図のように大臼歯部には２~３本の
根が存在するために分岐部まで骨が溶けてしまっているかを検査する。分岐部まで達して貫通するほど骨が吸収しているケースに関しては、一時的に歯周病の進行を止めることができても数年後にはほとんどのケースで
抜歯となる。
このように
抜歯の基準を甘くして歯を保存したとしても数年後にまた歯が抜けて、追加で
インプラント治療が必要になってしまう。これを繰り返していくと何本もの
インプラントが必要になり、その間はメインテナンス費用もかかることになる。
そしたことからもう少し
抜歯の基準を厳しくした方が最終的には少ない本数の
インプラントで歯を回復ができ、その後の再治療が少なくなり、トータルの治療費は少なくできる。
この考えの発展形がall on fourと呼ばれる４本の
インプラントで１０〜１２本の歯を回復する方法である。（すべての歯を抜く場合）
上記の方法は場合によっては、いい面もあるが、あまりにも少ない本数で多くの歯を回復させるとリスクが出てくる。そこで補助的に本数を増やして６〜８本で１２~１４本の歯を回復させる方が安全である。
インプラント１本が負担できる歯の本数は太さや長さにより変化するが、太くて長いものであれば２本程度と考えた方が無難だろう。欠損部に単独の
インプラントを１本入れたとしても、その隣の歯もいずれは
抜歯となるような場合は、完全に残る歯だけを残して
インプラントを入れておいた方が将来的には安全である。
現在は
ＣＴで歯周病の進行は立体像でみることができるので、どこの部分の骨がどのように溶けているかを患者さまにお見せしながら抜く歯を選択していくことにしている。
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