今日も
インプラント相談の患者さんがいらした。上顎だけが極端に歯周病が進行してしまって全ての歯を
抜歯しなければいけないような
症例であった。このようなケースにおいてはいろいろなバリエーションの治療が考えられる。骨の条件が非常によければALL ON FOURなど少ない本数の
インプラントで回復させることは可能かもしれない。日本人の骨の薄さと骨の質が悪いことから上顎においてはなかなか難しいかもしれない。さらに一度歯を全て
抜歯して即時に
インプラントで歯を回復できないような
症例に関して数ヶ月間総
義歯で過ごして頂いた後に即時加重で歯を回復するのはあまり意味が無いように思う。
抜歯と同時に全ての歯を即時加重で回復できるチャンスがあるのならやる価値はあるかもしれない。
ブローネマルクシステムでALL ON FOURで4~6本の歯を即日に回復する手法は結局は6ヶ月間仮歯の状態で待つ必要がある。それはなぜか?
インプラントと骨が結合する時間がかかるからだ。今は2ヶ月待てば確実に骨と結合する
インプラントがあるのだから安全確実に歯茎の中に2ヶ月間埋め込んで2ヵ月後に仮歯を装着して1ヵ月後に本歯を入れれば合計3ヶ月で終わりである。即時にこだわる必要性はない。即時で失敗すれば、ロスタイムが数ヶ月かかり結局1年ぐらいかかることになる。
4本で回復できたとして10年20年と経過していくうちにどれだけその
インプラントが生存しているかのデータは全くない。机やいすの4脚のうち1脚が折れたらどうなるだろうか?6~8脚あるうちの1脚が折れたらどうなるだろうか?比較すれば誰でもが簡単に答えられるだろう。
4本が最少単位で12本の歯を回復できても20年後に12本が機能しているかは誰もわからない。しかし、6~8本の
インプラントで12本の歯を回復させたときは20年以上経過している
症例も多数報告されている。
患者さんにとって目先の治療費が安いから
インプラントの本数は少なくていいという考え方は姉歯建築と全く同じである。
12本以上の歯を回復するのだからより確実性のある安全な建築で長持ちする建築方法を選ぶのが正しいと思う。自宅を購入したことのある方ならばわかるはずだ。