虫歯の治療において感染した歯質を除去して代用材料で詰めるのが
虫歯治療の基本である。何世紀も昔から代用材質には安定した貴金属が使用されてきた。代表的な金属は金である。その理由としては錆びにくいことと、ある程度の硬さと柔らかさがあることからである。貴金属を詰めるには歯型をとって上方から装着できるように歯を削る。すなわちやや多めに歯を削る必要がある。保険適用の材質は金銀パラジウム合金かレジン樹脂しかない。金銀パラジウム合金なら少し多めに歯を削って歯型をとって1週間後には修復物を装着することになる。レジン樹脂は歯を最小限に削って流し込み形式でレジン樹脂をつめて固めて1回で終わる。しかし、耐久性を考えると金属の方が有利である。しかし、金属にはアレルギーの可能性がある。どちらもよい材質とはいえない。
日本の保険制度では理想的な歯科治療はできないのが現状である。
セレック治療はすでに金属の詰め物が装着されている歯において詰め物が外れたり置換する場合に最も有効である。
グラディアダイレクト治療はレジン樹脂より色調や耐久性や硬度の面で有効であり小さな
虫歯に有効である。歯を最小限に削り流し込む方式ができるからだ。
歯がどれくらい削られているかで材質を変えるべきである。小さな空洞のような穴を埋めるときは
グラディアダイレクト(ハイブリッド樹脂)が適している。しかし、奥歯で耐久性が求められる場合は
セレック治療が最も有効であると思う。