この4月より2年ぶりに保険制度の改定が行われた。新しい技術も少し導入されたがそれ以外はほとんど変わらない内容であり失望するだけである。例えば、歯周病治療の中にとりいれられたGTR法(歯の歯周辺縁骨の骨、歯
根膜などの再生法)に使用するメンブレンと呼ばれる人工の膜を購入してそれを使用しても保険点数の方が低いので逆に不採算となり誰も適用しないだろう。
また、一部に
インプラント治療を保険に適用しようと考えているグループがいるが、もし保険制度に導入して保険点数が低い状況になればどんな
インプラントを入れても同じ点数ならば大変な事態が起こるだろう。どこのメーカーかわからない、安全性が確立されていない安価な
インプラントを入れても同じ評価を国がするならば日本の歯科の保険制度は完全に機能しなくなるだろう。毎日のように訴訟が起こる可能性があり国民を確実に不幸にするだろう。
今の保険制度では技術力の評価は全くされていない。医者と違い薬を投薬すれば治るという疾患は歯科ではまれである。
虫歯になれば、
虫歯になった感染部分を削り取り代用材料で詰める必要性があり治療時間と技術の精度は比例している。また、手先の器用な先生もいれば適当に詰める先生や不器用な先生の評価がすべて同じある。
このように
根本的に保険制度を変えない限りいつか破たんすることは間違いないだろう。
フィンランドでは保険制度を変えて、国営のテレビCMで
虫歯予防の大切さをアピールするなど徹底している。そのために医療費が非常に少なくてよい状況になり、国民の口の中の環境もよくなり
虫歯がほとんど発生しない状況である。
このことはガソリンの暫定税率や道路特定財源の問題ともダブらせることができる。私の考えでは日本の保険制度は一度潰して新たなる保険制度に作り変えるしかないと思う。医者もきちんと技術に対して評価してもらい、正しい医療を受けた患者も健康になり、医療費が減る方向にするべきである。(
予防を強化してほしい)
今の保険制度では保険だけで治療をしていくと確実に患者さまは不幸になると思う。
インプラントが使えない患者はブリッジ治療か
義歯治療を歯科医師は勧めるしか方法がない。歯科医院が乱立する日本では歯を削る治療がよくないことを知りながらも仕方なしに削って被せているのが現状である。そして数年後にまたその歯が悪くなり
抜歯をしてまた
義歯を作りなおしてまた
抜歯をして・・・・いつかは歯がなくなる。そしてまた
義歯を作る。
このような悪循環を繰り返せば当然のことながら国が負担する医療費が増えてくる。
そして確実に国民は不幸になる。
私がなぜ自費治療を患者さまにお勧めしているかというと自費ならば自分の考える理想治療がおこなえて、患者さまは、やり直しの少ない治療を受けることができるので生活も豊かになり健康で明るく前向きに生活ができるようになるからだ。
患者さまに対してうそをつきながら治療をしたくはないし、理想と現実を知ったうえ治療を受けてほしいと思う。
それと今後の課題としては質を落とさずにもう少し治療費を下げたいと思う。今の治療費は誰でも受けていただける治療費ではないからだ。そのためにはいろいろなことを内部から変える必要があると思う。