この時期は毎年忙しくなる時期である。忘れていたころに昔の患者さんがひょっこり現れる時期である。
インプラント治療のリピーターが多いのは
インプラント治療の経過が良好な方がほとんどだからだろう。周期的には3年周期で歯が悪くなるようで来院されると
インプラント治療をご希望される。このような理由と原因は一番最初に手をつけるのは本当に悪い部位であったり見た目を最初に回復したいと思う方が多いからである。私の診断ではすべての悪い歯を一度に治すのが理想的ではあるが時間とお金の問題があるので大抵の方は悪い部位と見た目の回復を優先することになり、一度は治療を終わらせることになる。しかし、数年経過すると、もともとあまりよくなかった部位の歯が
トラブルを起こすようになる。
歯は上下左右合わせて28本あるのが理想である。歯が少ない方を上下合わせて20本で回復することもあるが数年経過してまた悪くなることが多い。人間の咀嚼時の咬合力は非常に強いために20本の歯では支えきれないのである。28本で初めてバランスが保たれるとすると
28本:20本=1:1.4 ということになり20本の場合は通常の1.4倍もの咬合力が歯にかかってしまうことになる。14本しか歯がない方は2倍の咬合力を受けることになる。
さて、1本の歯に1.5〜2倍の咬合力がかかるとどうなるか?
答え
弱い組織が破壊されることになる。咀嚼筋が生み出した咬合力は上下の歯がまず受け止めて、歯の周囲の歯周組織に伝達される。さらには顎の骨に伝道し、顎の関節がうけとめることになる。
その過程において最も弱い組織で吸収される。例えば歯の質が弱い方は咬合力は歯を削って分散される。歯が強くて歯周組織が弱い方は歯の周りの骨が溶けて吸収する。歯や歯周組織に問題がなければその周囲の骨が増強され、顎の関節に咬合力は向い分散される。
咬合力→歯→歯周組織→骨→顎の関節→頭蓋へと徐々に伝達される
歯の本数が少ないと歯に強い咬合力が伝わり歯が割れたり、
根尖病巣をおこす。
それでは20本の歯ですべてをブリッジ治療や
義歯で治した場合はどうだろうか?
これは歯がない方と同じと言えるだろう。ブリッジ治療は健康な歯を巻き添えにしながら歯と歯を連結しているだけのこと。まだ
義歯の方が歯茎に咬合力を分散できるのでいいかもしれない。とにかくブリッジは最も良くない治療法である。手抜き建築と同じで柱が少なければ咬合力を受け止めることができない。柱=歯を増やすことができるのは
インプラント治療しかない。
当クリニックではブリッジ治療はしないことにしている。当クリニックの3大コンセプトのうちのひとつである。