この連休は歯科医療の問題点を書いていきたいと思う。その中で大きくチェーン展開している歯科医院とはどういうことか?昨日、お話した内容で医療とは質を求めるものだということを強調した。これからお話することは私の単なる考え方なので参考に出来る面は参考にしていただきたい。私も若い頃はチェーン展開を考えた時期が合った。
矯正専門、
審美歯科専門、
インプラント専門などいろいろな分野の専門病院があったらいいと思った時期がある。今は、その全く逆の考えである。しっかりとした
治療方針と計画は少ない限られたスタッフで濃密に行った方が質は確実に高くなるということ。チェーン展開=利益重視ということになる。勢いがいいときはそれでうまくいくかもしれない。しかし、一旦利益が下降すれば全てが悪循環に陥ってしまう。これは経験済みである。
経営者としても資質も求められる。私には無理であったということだ。私はどちらかというと自分勝手なので自分の思い通りにできる少人数制が向いている。それと多くの人材を同じようなレベルに育てることには無理があると思っているからだ。100人の歯科医師が同じような質の仕事をすることはありえないと思うし、教育しても無理だと思う。歯科医師ひとりひとりのやる気や生まれ持った器用さやハングリー精神の違いから同じレベルというのは難しいと思う。
以前は5人いたドクターは全て開業し一人前になった。ある程度の技術があれば普通は開業して独り立ちしてしまうものだ。そういうこともあって常にクリニックのレベルを一定にすることは非常に難しいと考えている。
いろいろな経験からチェーン展開の持続性は疑問が残る。長期にわたって患者さんをフォローしていこうと考えるならば少ないスタッフで自分の診れる範囲の患者さんに絞って診るべきではないだろうか。