1day treatment
私の本当の理想治療とは一日に4人〜6人程度をまとめて一回の治療で治していくことである。一人のアポイントを90分程度取り、1回で3〜4本の歯をまとめて治していくことは効率もよく患者さんの通院回数は半数以下にすることができ、患者さんの満足度を向上させることもできる。また、1回に麻酔を効かせて麻酔が効いている部位をまとめて治療するので麻酔の回数も減らすことができる。
しかし、実際には1日に8人程度でメインテナンスや
矯正保定管理中の患者さんや
トラブルケースの患者さんで倍以上になってしまう。これでも普通の歯科医院と比べればはるかに少ないといえるだろう。
保険治療中心のクリニックでは一人の歯科医師が20〜30人程度の患者をこなしていかなければクリニックが成り立たない。8時間の治療時間を30人で割ればひとりあたり16分間という計算が成り立つ。
16分間でどのような治療をすることになるだろう。歯科医師は大半の治療をスタッフに任せながら歯を削る行為や歯を抜く行為のみ治療をおこない流れ作業の治療を終わらせていくことになる。保険治療はただ治療をすれば適当でもきちんと治療をしても全く評価は同じである。すなわち、質を求めるならば、治療時間が必ずかかることになる。以前は私もこのような治療をしている頃があった。とにかく治療のスピードをあげて治療の質を高めるか、多くのスタッフを抱えながら手分けして治療するしか方法がなかった。スピードをあげるといっても限界がある。年齢と共にスピードは落ちてくる。スタッフを多く抱えることは簡単でも全員の治療の質を統一することが難しいことになる。
私のクリニックではアポイントは60分単位が基本である。その中で、ほとんどの治療を自分ひとりというわけにいかないが45分間は私が担当している。結局は自分でほとんどの部分を行えばミスも減るし質は高くなる。
患者は少なければ少ないほど治療の質を上げることができる。