日本全国には30種類ほどの
インプラントが流通している。世界的には私が知っているものでも50種類はある。そのすべての
インプラントを使用した経験をもつドクターは世界的にはほぼ0に近いと思われる。たぶん、ないかもしれない。
ほとんどのドクターが1〜2種類程度の経験で
インプラント治療に取り組んでいる。
ちなみに私は過去に8種類程度の
インプラントを経験してきて、今現在は
アンキロスインプラントと
ストローマンインプラントの2種類を90%以上使用している。(これが絶対というわけではない)
昨年はかなりいろいろな種類のものを使用してみたが結果的にはこの2種類でほぼすべての
症例がこなせる状況である。
しかし、5%ぐらいの
症例に関しては他のメーカーの
インプラントの方が有利という場合がある。
私が最も推奨している
アンキロスインプラントに関しては直径3.5ミリという細い
インプラントで高い10年成功率上下顎問わず97%であるデータがあり実際に抜けた
症例は今のところない。
この
アンキロスインプラントはデンツプライ社(ドイツ)が販売しややマイナーな
インプラントではあるが実は歯科世界の中でもっとも資本力の高いメーカーである。(あらゆる歯科の会社で世界一大きい会社である)
いわゆる昔のwindowsとmacの関係と同じである。windowsはmicrosoft社で開発されmacより劣るosではあったがビジネスに徹した戦略と広告宣伝で世界のナンバー1となった。しかし、実力を比較すると常にmacのCPUの方が上であった。
実際にブローマルク
インプラントは広告宣伝に異常なほどに資金を投入し世界のシェアナンバー1を座を勝ち取った。ナンバー1といっても
インプラントの性能は1世代古いものである。
世界ナンバー2の座についたのは
ストローマン社のITI
インプラント(
ストローマンインプラント)である。
ストローマン社は巨大な資本をもつスイスの会社である。ブローネマルク
インプラント(
ノーベルバイオケア社)とは少し違う側面がある。ITIという
インプラントの研究開発機関と常に一体となって活動している点である。すなわち、確かなデータに基づいて新しい
インプラントを世の中に送り出している点が
ノーベルバイオケア社との違いである。
ドイツ国内ではデンツプライ社の開発する
アンキロス、
ザイブ、フリアリット
インプラントは最も売れている
インプラントである。
日本国内では国産
インプラントである
AQB,マイティス、POI,プラトン
インプラントが低価格で世界の一流メーカーの
インプラントと対抗している。国内で低価格路線でいくドクターたちのほとんどが
AQB,マイティス、プラントンを使用している。これらのメーカーの弱点は数少ない研究論文に裏付けれらデータで勝負している点である。
どんなに1世代古い表面構造をもつ
インプラントを売り出しているブローネマルク
インプラントでもデータは非常に豊富である。
このメーカーのいい点は新しいものを次から次へと世の中に送り出していること。いい点もあるが、よく見極めないないと危ない。
ドクター側はいい点悪い点を良く理解した上で患者様に勧めるには問題がないだろう。