歯の被せものを土台(コア)もしくは
インプラントもしくは自分の削られた歯に装着する場合は人体に無害なセメント材で接着することになる。一昔前まではセメントが固まり歯の粗造面と被せもの内部の粗造面を埋めるだけで接着力は弱かった。
たとえば、幼稚園のときに図工で使用した大和のりは、でんぷんで作られていてそれほどの接着力はなかったはずだ。その逆に瞬間接着材は金属にもいろいろな樹脂にも強固に接着する。
このように接着材にはそれ自体が接着する相手側の材質を選ばないものもあれば特定の材質では強固につくものもあればつかない材質もある。
すなわち接着材の種類は被せものの材質により変える必要がある。金属、セラミック、レジン樹脂、
ジルコニアに対する接着材が必要である。
本日上顎14本の歯に
ジルコニア修復物を接着したがこの場合は
ジルコニアに強い接着材を選ぶ必要がある。
ジルコニアは従来の接着材ではあまり接着力が発揮されない。最近では
ジルコニアに対応した表面処理を行ってから専用の接着材を使用している。
今回は
ジルコニア内面のサンドブラスト処理した後にEZプライマー処理をしてSAルーティングセメントを使用した。
クリアフィルSAルーティングは今年の春に発売された最新のセメント材である。操作性は非常に良好であり使い勝手がいい。それでいて
ジルコニアにも良好に接着する。それ以外にはエステティックセメントを使用する。
ジルコニアや
セレック修復物は半透明な修復物であり下地のセメントの色調により微妙に歯の色合いが変化する。エステティックセメントは5種類の色調があり色調調整ができる接着力と審美性を備えた最も有効なセメントである。
両者ともにここ1年間に販売された最新のものである。このように被せものだけでなく細かい部分にもこだわっていくつもりだ。