本日は代表的な国産
インプラントメーカーの
AQBインプラントの担当をお呼びしてどのような
インプラントか説明をしていただいた。
インプラントの売り方はいろいろなメーカーの
インプラントを扱ってきたのでよく知っている。どこのメーカーも定価というものがあって値引きというのが存在する。このメーカーも同じくである。
定価というのはあってないようなものだと思った。初対面の私に対して何の抵抗もなく値引き率について話をしてくれた。
AQBインプラント
どんな
インプラント?
1ピースタイプの
インプラントである。1ピースとは骨の中に埋め込まれるボディーの部分と歯茎を貫通するアバットメントが一体化されたものである。そして再結晶化されたハイドロキシアパタイトのコーティングが純チタン表面を30μの厚みでなされている。
さて、この
インプラントの歴史は1990年ぐらいとメーカーの方は言っていたがそこから約20年の歴史があるということだった。そこで長期データはありますか?という質問に『ありません。5年ぐらいのスパンのものがあるようなないような。』
これから新しい製品は出る予定はありますか?
『たぶんでません。いまのままでしょう。』
こんな答えが返ってきて正直驚いた。このようなメーカーの姿勢は大問題である。このようなメーカーが存在するから真面目に
インプラント治療しているドクターに迷惑がかかるのだ。毎月1000本以上のデータのない
AQBインプラントが国民の口の中に埋め込まれていくことは大変危険である。
われわれが厚利少売とすると、どこかの薄利多売を売りにしているクリニックの言い分は=
インプラントの材料費はどこのメーカーも同じであるという考えであるがこれは間違いである。
インプラントのフィクチャー部分の値段は私の知る限りでは
1本7000円〜50000円ぐらいまである
インプラントのアバットメント部分では
1本5000〜35000円ぐらいまである
セラミッククラウンの
技工代
1本8000〜30000円ぐらいまである
インプラントのドリル
1本5000〜12000円ぐらい
人件費、光熱費、開発費、消耗品などいろいろである。製品の質や
技工料金、金属代、などけちれば安い治療費の
インプラント治療費を患者様に提示できるかもしれない。しかし、もし失敗した時のフォローやりなおし費用、新しい器具の購入、新しい技術の習得費用は全く加味することができないだろう。
私の考えでは安い
インプラントの提供は一切考えていない。本数が減っても確実安全長期フォローができない治療費の体系で治療をするならば
インプラントはやらない方がいいと考えているからだ。
AQBインプラントと全く反対の路線をとっているのが
ストローマンインプラントだろう。すべての器具が高い。しかし、長期データは豊富で安心。値引きもあまりしてくれない。
日本のドクターはどちらを選択するか?
国産
インプラントが飛躍的に伸びていることから日本のドクターは安全性よりも価格を優先するようになってきている。
AQBはここ数年で120倍の売り上げだそうだ。
自分の口の中に埋め込まれてもいいと思う
インプラントを提供することが一番であろう。