今の歯科保険治療のよさと悪さについてもこのブログでお伝えしようと思う。このような内容をはっきりと書く歯科医師の先生はほとんどいないだろう。日本国内の歯科医師の先生方の多くは保険治療を患者様におこない生活をしている。その比率は左下の図でもわかるように国内では85%を保険治療でおこないわずか15%を自費治療でおこなっている。米国では個人で保険に入るため95%は自費治療である。国内の歯科医師の先生はこころで保険治療の矛盾を感じていて思っていても酒場で酔っぱらいになったときしか本音を言えない状況である。
ある歯科関係者が私のブログを見て『最近の先生のブログの内容は過激!』という意見がある。はたしてそうだろうか?
日本人は本音と建前を使い分ける国民である。私は海外育ちということで本音をぶつけてしまうのかもしれない。
今日は日本の
根管治療と世界の治療費の格差についてお伝えする。
歯科において
根の治療は最も繊細で時間のかかる治療である。目に見えない歯の
根の中を細い針状の器具で少しづつ掘り下げてその中を緊密に充填する必要性がある。
最も時間がかかり手を抜くと後で
トラブルを繰り返す
根の治療は保険制度では最も評価が低い。先進国の中で最も低い評価である。
実際にはどんなに丁寧に治療を行っても90%しか成功率はない。悪条件であれば2〜3割でしかないといわれている。
前歯で1
根管、小臼歯で2
根管、大臼歯で3
根管の
根の管が存在する。それぞれの形は複雑で融合していたり分岐していたりとさまざまである。これを見えない状況で細かく治療しなければいけない。
保険治療では1回の
根の治療は
根管数で区分されている。1
根管で110円、2
根管で160円、3
根管で210円である。これではまじめに治療をすればどんどん赤字になる仕組みである。そこで一般の歯科医師はなるべく早く済ませるように治療を進めていく。
私のクリニックでは1回に約30〜60分間で3150円の設定をしているがこれでも世界基準ではとても安い治療費である。
丁寧に治療をしても適当にしても同じ評価であるのが保険制度である。治療の質が全く評価されないこのような制度では保険治療をすればするほど歯が悪くなることになる。
本来は出来高制でなくて治療の質で評価されるべきだろう。