本日は名古屋に移動して午後からノリタケ(歯科陶材メーカー)主催の講演会を聴きにいった。ノリタケは陶器=お皿の会社である。こちらのデンタル部門は独立したノリタケデンツサプライという会社であり坂 清子先生が社長である。私が国際デンタルの研修に参加している時代に坂先生が国際デンタルで講演をしていたことを思い出した。15年以上も前の話である。この頃はまだノリタケデンツサプライという会社も存在していなかった時代である。さらに青島先生を見ることとが出来て懐かしく思った。青島先生とも数回お仕事を開業時にしたことがあった。青島先生がラボを開業してしばらくの頃だったと思う。また、青島先生は昭和大学歯学部の
技工士長だったことも思い出す。彼もまた国際デンタルで教壇に立っていた一人である。
その当時のセラミック
技工はとてもデリケートで凡人ではリアルな歯を再現することはできない時代であり、青島先生はとても有名なセラミストであった。
その後、さまざまな陶材が開発され今では最もポピュラーな陶材がノリタケである。このセラミックの世界も昨年あたりから
ジルコニアが普及し変貌を遂げようとしている。1時代を築いたメタルボンド(セラモメタルクラウン)は減り、オールセラミッククラウンの時代に突入した。メタルフリー、
金属アレルギーの問題から
ジルコニアが急速に普及しはじめた。
技工業界は世界的には委縮傾向である。中国
技工の台頭で安い
技工は中国経由となりテクニックのいる仕事だけが自国に残る。さらに人出を減らす
CAD/CAMの導入により限られた
技工をする時代になった。CERECのような機械が普及すればさらに
技工業界は縮小する。
技術の進歩は簡単にある一定レベルの
技工物を製作できるようになった。メタルを使用しなければセラミック単体で歯の色を再現できるからだ。メタルの灰色を遮断することは光の透過を遮断することになるので自然観が出にくくなる。その反面、歯のもともとの悪い色を遮断することができる利点があった。
オールセラミッククラウンでは歯のベースの色さえうまく遮断もしくは利用すればある一定レベルの患者様には文句が言われないレベルに仕上げることができるようになった。
今まではどうあがいてもセラミック修復物を製作するのはベテラン
技工士しかない状況がセラミックプレスや
CAD/CAMによりそれほど経験を積んでいなくても一定レベルの色調を再現できるようになった。
また、色調だけでなく弱点であったオールセラミッククラウンの強度も年々上がり
トラブルが減る傾向にある。セラミック
技工が一昔前までの一部のベテラン
技工士だけの世界ではなくなったのだ。
星野歯科においては新しい
技工のスタイルを構築していこうと考えている。10年以上同じスタイルで行うことには無理があると考えている。時代の波に乗り遅れれば死活問題に発展すると思う。