今年になって簡単な被せものや詰め物は自分で作ることが多くなっている。
星野歯科においてはすでに金属
技工がほとんどない状況であるのでセラミック
技工と
矯正技工が主である。セラミック
技工は大きく分けると3種類ある。メタルボンドと呼ばれるメタルベースの上にさまざまなセラミックパウダーを配合してポーセレンファーネスと呼ばれる炉の中で焼いて作ったもの。オールセラミックスと呼ばれる完全にセラミック単体のみで作られた被せもの。そして
ジルコニアと呼ばれる
ジルコニアフレームにセラミックパウダーを配合して焼いたものの3種類がある。また、最近ではセラミックパウダーの代わりにセラミックプレスと呼ばれる方法でメタルや
ジルコニア表面にセラミックを鋳込む方法もとられるようになってきた。
セレック(CEREC)はこれらの中では主にオールセラミックスを加工することのできる
CAD/CAMのことを指す。自分で
技工をすることに最大にメリットはフィット感が他の
技工士が作るものよりよくなることだ。自分ですべての工程を経ているので咬み合わせやコンタクトの調整はほとんどない。自分の感覚が口の中と模型上の誤差を打ち消してくれるからだ。
技工は毎日繰り返すことで確実にレベルを上げることができる。形態についてもいちいち
技工士に自分の考えを伝える必要性もない。色調にしても毎日多くの患者様の口の中をのぞいていることもあり特に問題もなく色合わせができる。
耐久性のある
技工物というのが私のクリニックでの最大の課題である。とにかく壊れにくい材質と壊れてもすぐに修理の効く材質を選択するようにしている。それも長期定期に壊れる可能性の低いものを選択するようにしている。
どんなに見た目がよくても壊れてしまえばやり直しになることと患者様に迷惑をかけてしまうからだ。
10年以上セラミック修復物を装着してきた経験上おなじ過ちは侵さないようにしなければいけないと思う。
このような考えから現在最も硬い材質であるのは
ジルコニアであるがこれは
インプラントなどの多数歯の連結
症例に使用し、安定した硬度が得られるプレスタイプに変更している。また単独の歯に関しては
E-MAXと呼ばれる従来のセラミックの3倍強度のものを噛む力の強い部位には使用している。