3人の歯科医師で年間3000本、毎月300本の
インプラントを15万円で植立し続けることには相当に無理があると思う。この数字は
インプラントに興味のある歯科医師や患者様ならどこかのホームページで見たことがあると思う。一般的には
インプラント治療費は1本の植立の費用と
インプラントの被せもの材質や方法、増骨の補助手術があったりしてケースバイケースで費用は変わるが骨に問題がなければセラミック修復の歯と
インプラントのセットで30〜50万円ぐらいが平均相場である。その半分の15万円で何ができるのだろうか?
私の仲間うちでよく話題にのぼるのがこの話題である。『
インプラント治療の価格破壊』というネーミングであるが歯科業界の破壊につながるのではと懸念している。
数多くやればいいのか?昔のマクドナルドと同じでは?昔、65円ハンバーガーというのがあって最初は安いので多くの方がマクドナルドハンバーガーを週2回以上食べるようになった。しかし、だんだんと安くしても売れなくなった。誰もがハンバーガーの味に飽きがきて購買意欲が薄れて行き、売上も頭打ちになった。それから数年後、値上げをして量より質に移行していった。
私なら多少高くてもモスバーガー>ウェンデーズ>mac の順で食べたい。
インプラントで商売をしないでほしいと思う。結局は日本で一番商売っ気があるHPサイトであると思う。薄利多売。そこまでは医院の経営方針だから仕方がないと思うがその後のフォローはどうするだろうか?
歯科
インプラントは旧macと同じでいいのか?
歯科
インプラントは医療であるからには長期的に安全に長持ちさせるように管理していかなければいけないと思う。私が
インプラントを経験して16年以上が経過するが15年以内に
インプラントにどのようなことが起こるかは想像がつく。さて、40歳で歯を失って人生80年ならば40年間は持たせなければいけないだろう。現在のタイプの安全な
インプラントで40年間が最長であることがわかっているがそれ以上のデータはいまのところ存在しない。そうした中でできるだけ
インプラントの脱落の確率を減らすように様々な努力をしなければいけないと思う。また被せものの材質も強度も高い審美性も高い、安全性も高いというものを選択し、接着材も良いものを使うなど究極を目指すとそれなりにコストはかかるのは当然のこと。
インプラントは所詮、人工物であり万能ではないと思うがうまくメインテナンスをしていくことで長期間自分の歯と同じような機能を回復できると思う。このメインテナンスは口全体のかみ合わせなどのバランスが最も重要であり左右が均等に咬めるようにしていかなければ
トラブルは継続して数年周期で起こってくることになる。
年間に3000本という気の遠くなるような数字である。わたしはその1/10で精いっぱいである。自分の手の届く範囲でしっかりと治療していきたいと思う。
何が言いたいかというとたくさんの
インプラントでたくさんの患者様を一時的に幸福な状態にして数年後に多くの犠牲者を生まないようにしっかりと管理のできる体制でやるなるokである。数が多すぎると何もいいことがないのは経験済みである。
治療方針