インプラントは現在ほとんどのメーカーがチタン製のものを使用している。チタンは金属であっても最も錆びない、アレルギーのない材質ということで医科で歯科でも多く生体内に利用されている。
インプラントは骨の中に埋め込まれて数か月待つことで強固に骨と結合して強い咬合力を負担できるようになる。この数か月の治癒期間は
インプラントの表面の構造(わずかな凹凸)の差により骨との結合期間が変化する。
最も早く結合(4週間)するものはチタンの表面に薄く
HA(ハイドロキシアパタイト結晶)をコーティングしたものがある。いま国内の
インプラントで
AQBインプラントを代表として海外メーカーではスプライン、テーパードスクリューベントHAに代表されるものがある。
HAコーティングチタンの表層にHAをコーティングしているために剥がれる危険性があり
インプラントの失敗につながる可能性がある。骨との結合は早くて良好でも賛否両論である。
世界的には特に
インプラント開発国の集まる欧州ではHA
インプラントはほとんど目にすることがない。HA
インプラントを積極的に使用しているのは日本の一部のドクターしかいない。海外ではチタン
インプラントでHAの危険をおかして使用する意味がないということらしい。
最近ではHA
インプラントと同程度の治癒期間で結合するチタン単体の
インプラントが開発されHAの必要性がなくなったという。
現在もっとも高い信頼性のあるものが
ストローマン社の提供するSLA表面構造とその次世代バージョンのSLActiveである。
ストローマン社はITIと呼ばれる
インプラントの世界的な学術団体がバックボーンとなり必ず5〜10年以上の研究データと治験を経て安全性の確立された
インプラントを世の中に提供している。その代表的なものは現在は
ストローマンインプラント(ITI
インプラント)である。
世界でもっともシェア率の高いブローネマルク
インプラントを開発した
ノーベルバイオケア社(旧ノーベルファルマ社)は最も歴史が古くいろいろな
インプラントを開発してきた。40年間という歴史はあっても時代の流れによっていろいろなことが変わり、昔は
ストローマン社と同様に最も安全性の確立された
インプラントであったが現在は研究開発のスパンが非常に短く3年以内のものばかりでいろいろと問題がでている。
今回の話は患者様には少し難しいかもしれないがある程度のデータがそろう
インプラントメーカーを選択することは重要でなんでもかんでも歯科医師の言いなりではいけないということである。情報をしっかりと開示できるドクターを選んでほしい。
治療方針