私の構想として、歯の被せものに関してはとにかく
トラブルの少ない耐久性と安全性、審美性を兼ね備えた材質を使いたいという考えが強くある。従来と同じような
技工では同じ過ちを繰り返しつづけることになる。セラモメタルクラウン=メタルボンド=セラミッククラウンとはメタルの裏打ちにいろいろな色調のセラミックパウダーを少量ずつ盛り上げて高炉の中で焼いてつくった白い被せものである。この被せものはメタルを含有することと強度に問題があるのでチッピングが出ることがある。なるべくチッピングのでないセラミック修復物は
CEREC3のようなセラミックブロックをまるごと削り出すようなタイプの方が耐久性は高い。パウダー方式は気泡の混入、セラミック粒子のまばらさなどから割れるときはガラスのようである。
20年前と同じ製法でセラミックパウダーから盛り上げる方法は耐久性を要する臼歯部よりも審美性が追及される前歯で多様されるべきだろう。セラミックパウダーで盛り上げる場合は色調再現に優れる利点があるからだ。
本日より2名のセラミック
技工士が入社となり、私の頭の中の理想を現実化させることが可能になった。
セラミック修復物の作り方を
CAD/CAMとセラミックプレス、
ジルコニアを中心とし、本当に必要なケースだけにメタルボンドを利用する。すなわち、ほぼ100%セラミック中心であり、一切の妥協を許さない被せもの提供をしていける環境がやっと整った。
どんなに色調が再現されそっくりに歯が再現されたとしても数年後にかけてしまうということがあっては信用を失うことになる。しかし、歯は金属色をした被せものや詰め物より白い方がいいに決まっている。保険制度ではセラミックは選択できない。金属ばかりのメニューでありそのジレンマを解消していきたい。
私のクリニックはたぶん全国的にみても特異な存在になってしまっったかもしれない。私のクリニックでは保険治療はできないし、金属は選べない。しかし、一時しのぎのお互いに妥協した治療には、うんざりである。開業以来最近までは妥協の連続だった。こんなものは持たないしダメになるだろうと考えながら保険制度を適用する自分があった。今は自分の信念を曲げて保険制度に屈服し妥協するなら歯科医師を辞めるつもりで取り組んでいる。保険治療を認めればこのブログのタイトルである『究極の歯科医療を目指す』という目標を捨てたことになる。ここ1年間は毎日1
症例を真剣に取り組むようになった。どうしたら長持ちするのか壊れないようにするには?壊れたらどうフォローして行こうか?
私の
治療方針が認められなければ日本の歯科医療はおしまいだろう。単に世界の標準レベルに近い当り前な方法を選択しているからだ。世界の基準で見たら日本の歯科はまだまだ遅れている。
今年の3月末に行われるドイツのケルンのIDS国際デンタルショーでまたまた格差が露呈されることだろう。
治療方針