本日はオペはなく
インプラント相談が1件であった。さて、世の中の景気が相当悪いこともあり
インプラント治療に踏み切ろうと思っても支払の問題でできないという方も増えているように思う。本日相談された方も理想的には欠損の本数がかなりあるので8本ぐらいはほしいところである。3本分しか費用を出せないということなのでそのような計画を立てるしかないだろう。相当に妥協した治療計画になってしまうが仕方がないだろう。
インプラントの本数が少ないと数年前に問題になった姉歯建築士の耐震強度偽造と同じ構造になってしまう。ご本人の希望で最も効果的な部位に
インプラントを配置してもたせるしかないが一部は仮歯のままにすることになるだろう。歯がトビトビに欠損しているとどうしても
インプラントの本数は増えてしまうことになる。すなわち連続の欠損が多い方が結果的には
インプラントの本数は少なくて済むことになる。それでは残っている健康な歯を抜いた方が治療費が安くなる場合は患者様はどちらの計画を選択するのだろうか?
費用よりも残せる歯は残してほしいと考えるか、歯を全部抜いて少数の
インプラントで安く修復するほうがいいのか?
私はどちらかというと前者を選択するがALL ON FOURの考え方では後者となる。自分の本物の歯と
インプラントでは当然ながら自分の歯の方がいろいろな面で勝ると考えているからだ。自分の歯には感覚があるので
虫歯になれば沁みるし、石ころを噛めば即座に硬いので咬むのをやめることが出来るが
インプラントの場合は感覚は自分の歯の1/10ということになる。そういうことから一部の歯が残っているメリットはあるだろう。
合理化という言葉を歯科治療に当てはめる傾向が最近あるが、できることなら自分の歯を生かしながら欠損部は
インプラントで補うのが最善の治療法と考えている。
治療方針