私の頭の中では最も良い材質とは何か?最も良い治療法とは何か?
ということを常に考えながら毎日を過ごしている。人生の折り返し地点を過ぎ去った今では、前半の若いころとは考え方が少し変わってきた。若いころにあった野心というものは消え、自分の悔いのないような治療をしたいと思うようになった。数日前にドイツにいってからは毎日のように情報の整理をしている。そしてよい仲間と一緒に新しい歯科の道を切り開きたいと思っている。歯科において金属とは切っても切り離せない大切な材料である。一昔前までは金合金が最も良い材質とされていた。しかし、その金合金やその他の金属合金には錆びから金属イオンの蓄積による皮膚炎などの
金属アレルギーが報告されるようになった。それを完全に排除して行こうとした場合は並大抵ではできない。まずは歯に詰めたり、被せたりするものから金属をなくしていく。これだけでも並大抵ではない。皆様が前歯に被せているセラミッククラウンと呼ばれる材質の多くには一部金属がつかわれている。この一部の金属を完全になくすためにCERECを導入しオールセラミックのメタルフリーの被せものを提供できるようになった。しかし、CERECで作れるのは今のところ単独の歯だけであり被せものと被せものをつなげる必要性のある
インプラント治療の被せものには応用できない。
ジルコニア、
E-MAXなどの特殊材料を使うしかないのだ。
さて、このようなクリニックが日本にどれだけあるか統計を取った場合、全国でも10件ぐらいしかないように思う。
その理由として国内の99%は保険治療をおこなう歯科医院である。メタル治療ばかりの保険治療を併用で行うクリニックはすべて排除しなければいけないからだ。完全に自費治療の病院をホームページで調べても10件ぐらいしか発見することができなかった。その中でメタルを一切使わない病院はもしかしたら3件ぐらいしかないかもしれない。
自費診療100%にするには設備投資に莫大な投資が必要だからだ。保険治療と大差がないならばやる意味がない。私は歯科治療が好きで行っていて現在はどちらかというと半分以上は自分の趣味になっている。高い高級外車を乗り回すよりは最新の歯科用
CAD/CAMの方が魅力的に思う。だから数年前に買った1000万円の
セルコンという歯を加工する
CAD/CAMの半分は自分個人のお金で買っている。その
セルコンを使用して患者様の口腔内に良質な
ジルコニア製のオールセラミッククラウンも早期に提供できるようになった。
これも私の目指すメタルフリー治療のためである。
治療方針