1年ほど前に通常の金属床
義歯を装着したところ口腔内の粘膜が赤くなりどうしてもひりひりして入れられないということでチタンベースの
スマートデンチャーに交換をした。その後は順調に経過をしていた。しかし、数ヶ月後に
義歯の適合が悪くなってきて
義歯の内面をレジン系樹脂でリベースしたところその日のうちに水泡が形成され数日間ひりひりしたということだった。レジンのモノマーに対してのアレルギーが考えられたのでその部分を削り落してソフリライナーに交換をした。やはりその翌日に水泡が出来て腫れてしまったということでどうすることもできなくなってしまった。以前に治療した患者様でレジンアレルギーの方がいらしたがやはり金属のアレルギーのような症状も出てきたことから、一度金属レジンでアレルギーがでてしまうと非常に粘膜が敏感になりあらゆる物質でアレルギーがでる傾向があるようだ。あとはセメントに対してもアレルギーが発生するケースがある。従来のセメントには多くの金属が含まれているからだ。
歯科治療においてセラミック・レジン樹脂・金属は必ず必要な材質である。そのため、3大材質のうち2つが使えないとなると治療は困難を極める。この方は全身的な問題もあり
インプラント治療も出来ないために
義歯の治療に踏み切った。しかし、
義歯に使われているレジン樹脂が使えない以上
義歯の修理は無理である。
義歯のほとんどはレジン樹脂製品に金属を絡ませたものでありセラミック製の
義歯はできない。
ジルコニアに関しても
義歯として使用するには不向きである。
また、このような特殊な
症例は歯科でもあまり報告されていないために今回は東京医科歯科大学のアレルギー外来への紹介をおこなった。
治療方針