イタリア チロル地方のクリニック
夜中の２時近くに到着しても予定通り７：３０に朝食後８：００にクリニックでのオペ見学が行われた。かなり体力が消耗していたがクリニックに到着後すぐに着替えをしてオペ室に誘導された。いきなり
ジルコニアインプラントのオペケースであった。
ジルコニアの
インプラントのオペは実は４年前にIDS2007のブリーデントのブースで見て以来である。４年前に初めて
ジルコニア製の
インプラントを見てからとても興味を持ち、情報を得る必要があると思っていた。それから２年後のIDS2009でDrクッチャーと出会って今回の訪問が実現した。
インプラントメーカーの囚われない新たなる道を開こうとしている。いろいろなメーカーの
インプラントを使用してきたが自分にあったオリジナルな
インプラントがこの世の中にはなかなか存在しない。同じような考えから彼の開発した
ジルコニアの
インプラントの植立オペが見られることは今年一番の収穫であろう。
ジルコニアとチタンの材質の違いから器具の取扱いは微妙に異なっていた。私が目指す究極の歯科治療の中のコンセプトの中で外せないのが安全で耐久性のある材質を使うことである。
金属アレルギーのない完全メタルフリーを実現させるにはやはり
インプラントも
ジルコニアにしなければいけないと思う。チタンは安全であるが全くアレルギーがないかというとごくわずかに報告されている。世界の
インプラントのほぼ９９％がチタン製のものを使っているが現在８社が
ジルコニア製の
インプラントを製品化している。材質の特性上すべてのケースに使うことはいまのところ無理である。しかし、いろいろな形状のものが試され安全性が確立されればチタンより良い材質であることは間違いない。その中で私が最も使えそうだと思ったIDS2009のブースの中でみつけた
ジルコニアインプラントメーカーと直接コンタクトを試みたのだった。今回の訪問のきっかけは自ら作ったことになる。
オペはチタン
インプラントとほぼ同じ術式であり扱いもほぼ同じである。しかし、サイズやトルクコントロールに制限がある。
オペが３件その他２次オペも行われ、いろいろな話をすることができた。彼らのコンセプトと私のコンセプトが非常に似ていることで親近感を覚えた。彼らの目標も完全メタルフリーであること。クリニックの中のラボを覗いても製作途中の補綴物は
ジルコニアまたは
E-MAXが使用されていた。メタルボンドはなかった。
ジルコニア製の
インプラントがどうしても入れることができない場合にチタン製の
インプラントを使用するということで、すでに全
症例の１５％に
ジルコニアの
インプラントを使用していた。どの
インプラントも万能でないようにこの
インプラントもそうである。
午後からは実習をおこない植立方法を習得した。夕方からは近くのイタリアチロル地方の有名なワイナリーで見学試飲をさせてもらい、ディナーに招待された。もう目がすぐに閉じてしまいそうなぐらいに眠くホテルについたとたんベッドにもぐりこみ熟睡した。
治療方針
症例
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