本日はお昼より
ストローマンジャパン主催のスペシャルセミナーに参加させてもらった。
ストローマン社は
ストローマン(ITI)
インプラントを販売している国内向けの法人である。私の尊敬する飯島俊一先生の講演と関
根眞一先生による苦情・クレーム対応のセミナーが組まれていた。
飯島先生は常に
インプラントの
トラブルを回避するにはどうすればいいかを考えて臨床にいろいろな最新材質を応用している日本の
インプラント臨床のパイオニアであると思う。さまざまなメーカーの
インプラントに熟知されケース BY ケースで使い分けをされている。そして最も多い
インプラントトラブルの補綴の問題を解決しようと日々努力をされている。どうしてそのような考えになったかは多くの
インプラントを植立し続けると何年か先にその数%に
トラブルが生じてくるからだ。その比率は飯島先生のクリニックでも2〜3%ということだった。年間1000本植立をされていることから2%ととしても20本に問題が起こることになる。
トラブル率を1%以下にしたいと考えているに違いない。私も推奨するイボクラ社のE−MAXを今回の講演でも推奨をされていた。AGCによる適合精度の補正とねじ止め構造体のコンビネーションのケースは有効ではないかと思う。AGCと
ジルコニアフレーム、E−MAXのコンビネーション構造物は大きな
インプラント補綴のケースでは有効だろう。AGCを活用することで適合精度の向上とノンセメントノンスクリュー補綴が可能となりいわゆる
インプラントコーヌス術者可撤式上部構造となる。この意味はセメント合着によるセメントの取り残しという危険を回避し、患者さまがメンテナンスにおこし頂いたときに術者が簡単にリムーバーで上部構造をはずして
インプラント周囲をクリーニングすることができる利点がある。また、仮に上部構造体の歯冠部分が破損したとしてもメタルボンドのようにすべてをポーセレンファーネスにいれて再築盛する必要性がなくなる。1歯単位で
ジルコニアフレームに接着された破損したクラウンを交換するだけで
トラブルを解決することができる。その際に
セレックで加工したデータをリロードしてその日のうちに修復を可能とすることができる。また
ジルコニアフレームを使用することで重さを軽減させ(メタルボンドの1/3)金属コストの軽減、色調からも有利である。
しかし、この
技工物は非常に難しい面もある。あらゆる接着操作に熟知し、最新の
技工を熟知した
技工士との連携、高額な
技工料金ということになる。
先週の武田先生の講演でも補綴物は一生ものではない。いつかは作り変える必要性が生じる。そのようなお話からも上部のクラウンが破損したときに上部構造のクラウン形態部分をすべて単冠で
セレックで製作しておくという考え方はいいアイディアだと思う。壊れるなら今度は簡単に再現ができる方法にしておくという壊れないものを目指すのとは逆の発想である。
インプラントからの立ち上がりの部分は壊れる可能性の低いチタンや
ジルコニアをベースにして壊れる可能性のある部分はこわれてもいいように作っておく。その部分に今度は通常のメタルボンドの3倍強の曲げ強度をもつ
E-MAXを応用する。
インプラント体(フィクチャー)に関してはコネクションの強い
インプラントを使用することが重要である。どのメーカーが強くてどのメーカーが弱いというのはすでにデータでもっているがここでは伏せておこう。マイクロギャップを生じる
インプラントは
インプラントマージン付近で骨の吸収をおこす。マイクロギャップのない
インプラントが有効ということになる。そうした観点からみたときにはAQBなどの1ピース
インプラントや
アンキロスインプラントは有利であろう。
今年の4月よりエチコン使用(
ストローマン社の買収したCAD/CAMの使用が可能となる。
ストローマンの
インプラントに適合するカスタム
ジルコニア製アバットメントの製作ができるようになれば直接カスタムアバットメントにポーセレンを築盛することも可能になるようだ。この辺りはまだまだ使用に注意が必要だろう。
ジルコニアとチタンとが接する部分で摩耗によるアバットメントの緩みがおこる可能性を秘めているからだ。
私のクリニックではもう少し違った方法とっている。E−MAXプレスの利用とジルプレスの利用である。この方法が
技工士にとっては簡単ではないかと思う。そして咬合を与える場合E−MAX CADの場合は少しアバウトになってしまう傾向がある。プレスならそれほど咬合がずれることもなくしっかりと形態を作ることも可能だ。さらに曲げ強度は向上しE−MAX CADの360MpaからE−MAX プレスでは400Mpaとなる。
飯島先生も講演で言われたが、歯科は新しい材質が出るたびに治療法が大きく変わる。あくまでも今の時点ではこの方法を取るということだった。
関
根先生の講演内容は大手百貨店のクレーム対応の長を長年務めた経験から歯科で起こりうるクレームの対処にしてお話をされた。歯科のクレーム対処の著書も多数あり
星野歯科にも何冊か導入が必要であると思われた。質の高い患者が多くなれば質の高いクレームが増えてくるという内容でクレームがなくなることはないということだった。クレームをうまく処理することができればクレームを起こした患者は逆にそのクリニックを信用するようになるというお話だった。実際にうるさい患者をうまく治療すると多くの患者さまを紹介していただけることから納得の内容だった。誠心誠意をもって患者のクレームの話を聞いてきちんと対応することが重要である。また
治療方針をしっかりと掲げることは大事であるということを言われていたので私の考えも間違いではないと確信した。
本日の内容もすばらしい内容であり
ストローマンジャパン主催の講演会は今後楽しみである。
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