Dr.InakiによるNobel activeの審美修復について(ドクター向きの内容です)
本日は
ノーベルバイオケア品川研修室内で Dr.Inaki による審美領域に対する
抜歯即時埋入の術式のセミナーが行われた。同時期に北海道では日本口腔
インプラント学会がおこなわれている中で私はこちらを選択した。私が昔から所属しているスタディグループのデンタルコンセプト21は現在は顧問の中村先生と会長の三好先生を中心に350名にも及ぶ会員数となっている。Nobel active
インプラントはまだ国内では認可の下りていない製品ではあるが非常に興味深い
インプラントであることは確かである。
インプラント形状はCXTypeの
アンキロスインプラントに似た構造を有している。特にフィクチャーのコネクション形状はインターナルヘックスでモーステーパーとなっている点とプラットフォームシフトされている点が似る。
アンキロスインプラントと大きく異なる点はセルフタップTypeでありその切削能力は途中からでも埋入深度や方向を変えることができる。
現在のNobel社が扱う
インプラントはセルフタップに優れ初期固定性に優れる為に即時加重用としては世界をリードしている。さらにその上部構造はノーベル
ガイドを介して即時補綴できる唯一のシステムとなっている。
しかし、
インプラントと骨のインテグレーションに関しては遅れをとっている。こういう
インプラントを使用する場合は
症例選択が最も重要であり、すべての
症例で扱うべきではないと思う。
Dr.Inakiの今回の講演では前歯領域の単独補綴
インプラントの即時加重
症例に対する彼の術式とポイントを語った。前歯領域において最も難しいには軟組織のコントロールである。歯の周囲の歯茎の高さが隣接する天然歯と同じレベルにすることが最も難しい。
インプラント周囲の軟組織をいかに厚く回復させるかが焦点となる。Dr. Buzerの考えでは骨でしっかりとサポートしていなければ軟組織の移植をしてもすぐに退縮してしまうということから結合組織移植はあまり推奨していなかったと思う。その結合組織移植片はすべて犬歯から小臼歯間の口蓋側歯肉からである。.Dr.Inaki は結合組織移植片は量より質が重要であることから結合繊維を多く含む上顎結節部分からの移植を推奨している。しかも前歯領域に関してはすべての
症例に対して上顎結節部分からの移植をするということだった。
その際に使用する
インプラントはマイクロギャップの生じないネック貫通部の細いプラットフォームスイッチTypeの
インプラントを使用することで
インプラント周囲の軟組織に厚みを持たせることができ骨のレベルも安定するということだった。この考えは
アンキロスインプラントのグループのテッシュケアコンセプトにも通じる。
この術式を応用すれば多くの前歯領域の審美性を向上させることができそうだ。
最終的にどの
インプラントで補綴するかはドクターの考え方次第である。いつも考えていることは最後は患者さんが満足をして頂けるかどうかということ。いくらこのような術式を行っても単なる自己満足であっては意味がない。患者さんのニーズがあってこのような提案ができたら一番である。