今年に入り毎日のように再初診や紹介の
インプラント相談が入り始めた。昨年から
インプラント関連の宣伝広告は最小限に抑えているにもかかわらず増患している。これはリーマンショック以来の状況で、やっともとの状態に戻ってきたように思う。米株価、日経平均株価と
インプラント治療は完全に連動していることはこのブログで何度も書いている。アメリカ政府の70兆円を超える金融緩和によりインフレ政策をとることで市場が金余り状態となり消費にむすびつけている。その反面、ドル安が進行して円高の傾向が続くために日経平均株価は頭打ちである。国内でなく海外の特にドル建て資産で運用している方はここ半年は完全な右肩上がりであり資金にも余裕がでてきている。こうした資金が
インプラント治療費を生み出しているともいえる。しかし、このような人為的な景気回復はその財源が尽きるとまた冷え込むことが予想される。そのタイミングとしては今年の6月に再度金融緩和を続けるかどうかということと大統領選が終わるまでがポイントで基本的に景気を底支えすることになろう。私の予測では国内では来年度にはいよいよ消費税10%となることから相当に歯科業界も冷え込むとみている。消費税上げまえの駆け込み需要も増えるだろう。そういうことからすると高額治療が必要な患者は今が治療する良いタイミングともいえる。
どのように歯科治療をがんばったとしてもこの世界経済の大きな流れには打ち勝つことはできない。この大きな波を先読みする能力が長けているほうが有利である。今の時代はどんなに技術を習得してもしなくても宣伝上手な輩が経営的には一時的に有利となるが他の業種と違うのはどんなに宣伝だけをがんばってもこれは10年と続かないということ。その化けの皮はいずれ剥がれてすたれていくものだ。結局はコンビニよりも多い歯科医院が生き残るものは本物だけということになる。
その理由としては新規に患者を宣伝で集患するには限界があるということと、治療費の安売りをすると確実に自分たちの首を絞めることになる。
インプラント1本10万円という価格破壊を起こした医院が2年前には歯科業界で話題に上ったがそれは昨年までのことでそれに対抗するように9万円→8万円→7万円→6万円→5万円という歯科医院が登場してきた。結局安売りをしているところはいつまでも安売りを続けるために価格を周りよりも安くしなくてはいけない。はたしてこのような金額で医院経営ができて安全な
インプラント治療ができるのだろうか?この構造は薄利多売が成り立っているときはうまくいくが多売ができなくなったときの行き着く末は破たんということになる。頭のよい先生なら考えればわかることなのに自ら負のスパイラルに入り込んでいる。
インプラント治療のネット宣伝の異常デフレ化がリーマンショック以来継続されてきたが、今年は本物が頭角を現すときとみている。景気が回復すればいよいよ物価上昇、金利上昇となりこのような安売り戦力の歯科医院は淘汰されていくだろう。
治療方針