患者様のご希望する治療はだいぶ変わってきたように思う。昨年の
星野歯科では
インプラント治療の総本数は200本を割りその前の年の4割減となっている。昨年のNHK報道で完全に
インプラント治療の信頼はなくなり、いまだに不信感を払しょくしきれていない。
昨年はどこかの病院で
インプラント治療が必要だと診断されてセカンドオピニオンで私のクリニックにいらしても、私から
インプラント治療を断ったケースが非常に多かった。なんとか自分の歯を持たしてほしいという要望の方がはるかに多く、私の歯を保存させる技術も上がったことから普通に差し歯で治せるケースが増加した。そしてどうみても残せるような歯を抜くという歯科医師があまりに多すぎる。
また、リスクや失敗するとどうなるかについて、こちらから
症例をみせて説明をしているので、こわくなった方は治療を敬遠するようになった。(リスクの高い場合はそちらへ誘導する)
そして長年の私の臨床経験から10年以上もたないようなひどく難しく費用のかかるケースはブリッジ治療を勧めるようにしている。上顎洞底からわずかしかないサイナスリフトをするケースは患者さんが強く希望しない限り行わないことにした。
歯の保存をしてほしいという要望からなるべく歯を削らない、歯を
虫歯にしないことを念頭にマイクロスコープ治療の必要性が高まったということになろう。救える歯は残す。残してなるべく時間を稼ぐようにしてそれでもだめならそこで
インプラント治療とする。
インプラント治療は万能ではない。
インプラントの臨床経験が10年未満の先生には全くわならないだろう。5年以内ではほとんど
インプラント周囲炎も発生しないが、5〜10年のスパンで、もともとの全身のリスクや生活習慣から問題なく経過する人と
トラブルがでてくる人に分かれてくる。
トラブルのほとんどは上顎のケースで骨の少ないケース、たばこを吸われる方、全身疾患のある方、咬合力が極端に強い方。
メンテナンスをしていると古いケースほどいろいろな
トラブルを乗り越えている。メンテナンス中に不具合を発見できれば早期発見早期治療で
トラブルを回避することができる。
インプラント治療にメンテナンスしないもしくこれないできないならやらない方がいいと思う。
そういうことからも自分の天然の歯を生かす方がはるかに楽なメンテナンスになるし患者さんにも喜ばれる。
正しい治療をして喜んでもらう。