今回で3回目となるケルンのデンタルショー参加の総括をしてみようと思う。
今まで100年間歯科の治療の流れは歯の形成、印象、作業模型製作、ワックスアップ、鋳造完成、補綴物の装着が平然と行われてきたが、このアナログの流れが完全にデジタル化してきた。4年前に行った時はそれぞれのステップのデジタル化が行われていたに過ぎず、すべてをデジタル化したシステムはCERECぐらいか3Mぐらいしかなかった。
今回のデンタルショーで感じたことは口腔内スキャナーが各主要メーカーから販売されたこと。すなわち、いままでの型を撮る作業は口腔内スキャナーに代わり、そのデータが院内もしくは外注ラボに送られる。スマートフォンで撮影した映像を見ながら
技工指示書を送る。
ラボサイドは送られて来たデジタル画像から3shapeなどのソフトウェアで
義歯、インレー、アンレー、クラウン、ブリッジ、フレーム、
矯正用装着、
マウスピース矯正装着、サージカル
ガイドガイドなどすべての補綴物の設計を行い、マテリアルによって、石膏プリンター、ワックスプリンター、レーザー、
CAD/CAMで加工をする。
この加工をする機械を外注ラボは選択してそこに設計したデータを送信して加工をしてもらう。ほとんどの補綴物は加工が70〜80%程度までなので焼成や研磨、形態修正、色調を調整して歯科医院へ送り届ける。
このような流れがほぼ完成してきているがまだ現在の方法が優れている点は作業用模型が安価なことでトータルコストが安いことだろう。
ハードの設備投資が高い、作業用模型模型の精度が悪い、口腔内の歯の細かな表面性状が再現できない。口腔内のスキャンのスピードが遅いなどが挙げられる。
それでも4年前よりは遥かに実用化が目前まで迫ってきた感じがする。