もともとヒビの入った歯をもたせるのは非常に難しいことである。一度抜いてからスーパーボンドで固定してからまた
抜歯窩に戻すという手法もある。どれぐらいの成功率かはわからないがひびが入ったその原因は神経を抜いて失活させたことにある。
根管治療で治るものはひびがほとんどないもの。ひびがすでに大きくなっていればそれはほとんどが
抜歯となる。
私は1年間にたぶん数えるほどしか抜髄治療をしたことがない。10本以内のような気がする。なるべく健全な歯を削らずに露髄してもぎりぎりまで歯髄を残す努力をしてきた。そして生活歯の全く削られたことのない歯にブリッジをかけるのは4年に1回ぐらいだろう。
歯を削らないようにすることが歯の寿命を長くする秘訣であり、
虫歯を作らないように
予防をしていく。
全く健康な歯を削るのは非常に抵抗があり罪悪感を感じる。
インプラント治療に対する信頼が揺らいでいる現在の国内の歯科では
インプラントを選択せずにブリッジに逆行する流れがある。
日本の患者さんはかわいそうだ。知識もなく報道機関に振り回されて、すぐに影響される。そして保険治療が良い治療だと思っていること。もう少し自分の歯に対して勉強するべきだろう。海外ではどのような治療がなされているのか?みてほしいものだ。
インプラント治療はこのような条件では最も効果のある治療であるにもかかわらずまたまた、歯を削る道を選択するとは・・・!?
入れ歯の方はなぜ歯が無くなったのかをよく考えてほしい。
以下は相当昔に書いたブログの記事(2005.3.28)である。
長年いろいろな患者さんを治療していると歯を失っていく法則というのがわかるようになる。永久歯の中で最も早く
虫歯になるのは6歳に生えてくる第一大臼歯で奥から2番目の歯である。この
虫歯を放置することで歯の神経を抜く羽目となり歯が非常に弱くなってしまう。被せ物や詰め物をしても10年以内にはやりなおしになるケースが多く特に一度神経を失った歯は感覚がないので
虫歯になっても放置されることが多く被せ物を外したときにはすでに自分の歯のほとんどが
虫歯で保存不可能となり
抜歯となってしまう。
抜歯をすると欠損ができるので1本の場合は両隣の歯を削ってブリッジにする。このブリッジの平均寿命は8年でブリッジは土台になる歯に噛む力が通常の1.5倍もかかるのでブリッジが外れて
虫歯になったり歯が割れてしまうことでさらに歯を失う。この繰り返しの悪の連鎖は次第に加速して右が最初悪ければ今度はそこをかばうようにして左噛みになるので左に過剰負担となり左右ともに悪くなる。そして最終段階では前歯が悪くなりすべての歯を失うこととなる。
最近の傾向としてはまず1本目欠損のときにブリッジにしないで
インプラントを選択することで悪の連鎖を断ち切ることができるようになった。私のホームページでも紹介しているように欠損ができたら歯を増やす治療=
インプラント治療を勧めるようにしている。若い方も今では
インプラントを選択するようになった。
治療方針
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