先週の土曜日は臨時休診で7名のスタッフといっしょに山形県酒田市にある日吉歯科診療所での3回目の
予防歯科のコースに参加してきた。熊谷崇 先生の推し進めるMTM(メディカルトリートメントモデル)エビデンスに基づいた治療を患者に提供することで
虫歯も歯周病も撲滅できるという内容の研修で、参加したクリニックは13医院にも達した。宿題の内容も、とにかく医院内で実践した10
症例の患者についてとMTMを実施しての問題点と解決法、将来の展望についての考察をプレゼンすることだった。
星野歯科なりにやることはやったつもりではあったが、このシステムを完全に取り入れることは難しい。相当にハードルの高いシステムであることから安易に行えるものではない。
生まれてから死ぬまで一生自分の歯で物を食べることを目標に、生まれる前から母親に
予防の概念を植え付け、子供の歯が1本も
虫歯にならないいようにする。そして28本の永久歯を保ちながら人生を終える。とてもすばらしいことであると思う。
しかし、現実は程遠い。80歳の平均は9本の歯しか残っていない(平成17年データ)。
なぜこれだけ歯が抜けてしまうのか?
歯に対する
予防の概念が日本国民には欠如していることや、歯科検診での早期発見、早期治療をおこなうことで逆に歯の寿命を短くしている。エナメル質に限局するような小さな
虫歯はすぐに削って歯に詰め物をするかは唾液検査による個々の患者の
虫歯のリスク判定して決める必要がある。
虫歯のリスクの低い患者の小さな
虫歯はそのまま何年も様子見で十分であり、進行が進まないケースがほとんどだからだ。逆に早く詰め物をした部位は詰めものが悪くなってまたやり直しとなり歯を削ることになり結果として、歯の寿命を短くさせてしまうことにつながる。
歯はなるべく削らない、神経は残す、
抜歯もなるべくしない、ブリッジなど健全な歯を無駄に削らないことを徹底しないと80歳まで残らない。
そして、定期的(3か月に1回)の歯のクリーニングや咬みあわせのチェックがとても重要である。保険制度では残念ながら悪くない歯は保険の対象外である。人間ドッグや歯科検診というものはすべて保険外の治療である。
予防に対して国がもっと力を入れない限りはいまの状況は変わらないだろう。
治療方針
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